「精神保健福祉士 通信講座」と検索すると、ユーキャンのように教材が自宅に届いて学べる講座をイメージする人が多い。しかしこの資格を取得するには、学校教育法に基づく専門学校や大学の「養成施設」で通信課程を修了する必要がある。教材学習だけで完結する一般的な通信講座とは違い、レポート提出・スクーリング(面接授業)・実習という3つの要素が必須になる。本記事では、実際におすすめできる養成校や合格までの進め方を紹介する。
「精神保健福祉士の通信講座」は一般的な通信講座と仕組みが違う
精神保健福祉士の通信講座は、単に自宅で教材を読むだけの講座とは性質が異なる。学校法人が運営する養成施設に「通信課程」の在籍者として入学し、決められたカリキュラムを1年前後かけて修了する形になる。そのため申し込み時期も年1回程度に限られ、一般的な通信講座のように好きなタイミングで始められるわけではない。志望校の募集要項は早めにチェックしておきたい。多くの養成校は4月入学のみを募集しており、出願には成績証明書や実務経験証明書などの提出書類をそろえる必要があるため、志望校を決めたら半年前をめどに準備を始めると安心だ。出願書類には健康診断書や志望理由書を求める学校もあり、様式や提出締切は養成校ごとに異なるため、複数校の募集要項を早い段階で取り寄せて比較しておくと安心だ。
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通信講座は「短期養成」と「一般養成」の2種類
短期養成課程(9カ月〜1年)が使えるケース
社会福祉士や保育士など、指定の福祉系資格をすでに持っている人は、短期養成課程を選べる。修業期間は9カ月〜1年程度で、一般養成課程より実習日数も短く設定されている学校が多い。働きながら目指す社会人には、この短期養成課程がおすすめだ。実務経験を評価してもらえる分、レポートの負担も比較的軽い傾向がある。
一般養成課程(1年以上)が必要なケース
福祉系の資格を持たない大学卒業者や、まったくの未経験から目指す社会人は一般養成課程が対象になる。修業期間は1年以上で、実習時間も210時間前後と短期養成課程よりかなり長い。実習先の確保や日程調整は、勤務先の理解を得ながら早めに進めておく必要がある。初めて福祉分野に挑戦する人には、実習先のサポート体制が手厚い養成校をおすすめしたい。
おすすめの通信養成校3校比較

費用・修業期間・実習の負担感は養成校によって差が大きい。ここでは通信講座としておすすめできる代表的な3校を比較する。
| 養成校 | 課程 | 修業期間 | 学費目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 日本福祉教育専門学校 | 一般養成・短期養成 | 1年/9カ月 | 約80万〜100万円 | 初めて実習を受ける人におすすめ。公式サイトで課程を見る |
| 日本福祉大学中央福祉専門学校 | 短期養成 | 9カ月 | 約60万〜80万円 | 在職者におすすめの短期集中型。公式サイトで課程を見る |
| 東京通信大学 | 大学の科目等履修 | 1年〜 | 履修科目数により変動 | 大学卒業資格も目指す人におすすめ。公式サイトで課程を見る |
3校とも通学が必要なスクーリングが数日〜十数日程度設定されているため、勤務先の休暇制度も事前に確認しておきたい。志望校を1校に絞れない場合は、資料請求で実習先の提携状況を比べるのも有効だ。オープンキャンパスや個別相談会に参加すると、卒業後の相談員としてのキャリア像もイメージしやすくなる。
通信講座にかかる学費相場と支援制度
この資格の通信講座にかかる学費は、短期養成で60万円前後、一般養成で80万〜100万円台になることが多い。これに加えて実習先までの交通費や教材費が別途かかる点も見落としやすい。講座によっては国の教育訓練給付制度の対象になっており、要件を満たせば学費の一部が後日給付される。対象講座を選ぶのがおすすめで、実質的な負担をかなり抑えられる。たとえば専門実践教育訓練給付の対象講座であれば、修了後に学費の最大70%(上限あり)が支給されるケースもあるため、対象講座かどうかは出願前にハローワークや養成校の窓口で必ず確認しておきたい。学費の内訳は入学金・授業料・実習費に分かれており、多くの養成校が分割納入に対応しているため、まとまった一括納付が難しい場合は事前に相談しておきたい。
働きながら実習を乗り切った杉本さんの体験談
実際に働きながら精神保健福祉士の一般養成課程(通信)を修了した杉本さん(仮名・38歳)の体験を紹介する。精神科クリニックで医療事務・相談対応のパート職員として5年間勤務するなかで、資格取得を決意した人物だ。
※ここで紹介する杉本さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
資格がないまま患者や家族の相談に応じる中で、専門的に相談援助を担う立場になりたいと考え、一般養成課程への入学を決めた。学費は教材費込みで約82万円で、平日はクリニックの勤務を続けながら夜間にレポート課題をこなした。月1回のスクーリングには有給休暇を充てた。
最大の壁は23日間の実習で、職場に相談してシフトを長期休暇扱いにしてもらい乗り切った。合格後は同じクリニックで正式に精神保健福祉士として採用され、相談員としてケースを持てるようになった。資格手当が加わり月収は約3万円増え、専門職として患者に関わる手応えを感じているという。同じように働きながら目指す人には、杉本さんのように早めに職場へ相談しておく進め方がおすすめだ。
養成施設卒業後は国家試験対策講座も検討する
養成施設を卒業しても、この資格を取得するには国家試験に合格する必要がある。ユーキャンなどが提供している通信講座は、この試験に向けた直前対策であり、養成課程そのものの代わりにはならない点に注意したい。「通信講座」という言葉だけで判断せず、提供元が養成施設か試験対策会社かを必ず確認したい。
試験は公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施しており、試験概要のページで最新の受験資格・日程が公開されている。受験資格の詳細な区分や必要書類もあわせて掲載されているため、出願前に目を通しておくと手続きがスムーズになる。
国家試験対策の通信講座は過去問演習や模擬試験が中心で、独学に不安がある人にはユーキャンなどの直前対策講座をおすすめしたい。養成課程で基礎を学んでいる分、市販の問題集だけで進めるより効率よく得点力を伸ばせる人が多い。
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よくある質問
Q. 精神保健福祉士は独学だけで目指せますか?
養成施設のルートを通らずに国家試験だけを独学で受けることはできない。福祉系の学部を卒業していない場合は、短期養成または一般養成の通信課程を必ず修了する必要がある。実務経験のある社会福祉士や保育士であれば、短期養成課程で受験資格を得られる可能性が高い。実務経験がある人は、まず短期養成課程を検討するのがおすすめだ。
Q. ユーキャンの通信講座だけで精神保健福祉士になれますか?
ユーキャンの通信講座は国家試験対策が中心で、受験資格そのものを得られるわけではない。受験資格を得るには、専門学校や大学の養成施設で通信課程を修了することが前提になる。まず自分がどちらのルートに該当するのかを、養成施設の窓口に確認することが失敗しないコツだ。
Q. 通信講座で費用を抑える方法はありますか?
教育訓練給付制度の対象講座を選ぶほか、社会福祉士など関連資格を先に取得して短期養成課程に切り替える方法がある。複数校の学費や給付制度の対象可否を比較したうえで申し込み先を決めると、総額で数十万円単位の差が出ることもある。費用を抑えたい人は、教育訓練給付の対象講座から絞り込むのがおすすめだ。
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精神保健福祉士の通信講座選びでまずおすすめしたいのは、短期養成か一般養成かを見極めることだ。学費・修業期間・実習負担は養成校ごとに差があるため、公式サイトで最新の募集要項を必ず確認したい。迷ったときは資料請求で複数校を比較してから決めるのが失敗しない近道だ。まずは気になる養成校2〜3校に資料請求し、学費・実習提携先・スクーリング日程を横並びで比較することから始めてみてほしい。
養成施設で受験資格を得たあとは、社会福祉振興・試験センターが実施する国家試験に合格する必要がある。国家試験対策の通信講座も組み合わせながら、働きながらでも無理なく続けられる学習計画を立ててほしい。自分の勤務状況に合わせて無理のない受講形式を選ぶことをおすすめする。