TOEFLとは?TOEICとの違いに戸惑う初心者へ
広告代理店で働きながら海外MBA留学を目指すことになり、TOEFL受験が必須だと知った瞬間、何から手をつければいいのか見当がつかなかった。TOEICは受けたことがあるが、TOEFLは形式もスコアの意味もまったく違う。
※ここで紹介する体験談は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
TOEFL iBTはリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能を測定し、合計スコアは0点から120点で評価される。TOEICは主にビジネス英語の運用力を測る試験だ。TOEFLは大学の講義を理解し、レポートを書き、ディスカッションに参加する、アカデミックな英語力を測る点で大きく異なる。試験形式は改定されることがあるため、出願前にETS公式サイトで最新情報を確認しておきたい。
初心者がまず固めるべき3つの基礎
TOEFL対策の教材にいきなり手を出す前に、土台となる基礎力を点検しておくと後の伸びが早くなる。

1. 中学・高校レベルの文法の総復習
関係代名詞や仮定法など、読解や作文で頻出する文法項目に抜けがあると、ライティングとスピーキングの採点で減点されやすい。中学・高校の教科書を1冊、1週間で通読するだけでも土台は整う。
2. アカデミック語彙の強化
日常会話向けの単語帳では対応しきれない学術語彙がTOEFLには頻出する。研究・分析・仮説といった抽象的な単語を1日30語のペースで覚え、4ヶ月で3000語程度をカバーするのが目安になる。
3. 基礎的なリスニング体力づくり
TOEFLのリスニングは1つの講義が5分前後続き、集中力の持続が求められる。最初は2分程度の短い音声から始め、聞き取れた語数をメモしながら少しずつ時間を伸ばしていくと無理なく体力がつく。
4技能別の勉強法
リーディング:精読と音読の反復
文の構造・文法・語彙に注目しながら1文ずつ丁寧に読み込む精読と、意味を理解した文章を声に出して読む音読を組み合わせると、読解スピードが上がる。1つの長文につき精読1回・音読3回を目安に繰り返す。
リスニング:ディクテーションで弱点を可視化
聞き取った音声をそのまま書き取るディクテーションを行うと、聞き取れている単語と聞き取れていない単語がはっきり分かれる。1日1回、1分程度の音声で十分効果が出る。
スピーキング・ライティング:インプットをアウトプットに変換する
リスニングで覚えたフレーズをスピーキングで使い、リーディングで読んだ論旨をライティングで要約する。インプットした内容をその日のうちにアウトプットへつなげる習慣が、スコアの伸びを左右する。
スコア別・4ヶ月学習ロードマップ
初回模試で61点だった学習者が92点まで伸ばした4ヶ月間の学習配分は、次のようなものだった。

1ヶ月目は文法復習と語彙の土台づくりに充て、1日2時間を基礎学習にあてた。2ヶ月目からはリーディングとリスニングの演習量を増やし、週1回オンライン模試を受けてスコアの推移を確認した。3ヶ月目にスピーキングとライティングの比重を上げ、4ヶ月目は本番形式の模試を週2回受けて時間配分に慣れる期間にあてた。10点スコアを上げるには100時間から300時間の学習が目安になる。目標スコアと今の実力の差から逆算して学習期間を決めることが欠かせない。MBA留学の出願要件についてはJASSO(日本学生支援機構)の留学準備情報でも確認できる。
挫折しやすいポイントと乗り越え方
この学習者が最も苦しんだのは3ヶ月目、リスニングとスピーキングのスコアが3週間にわたって伸び悩んだ時期だった。模試のスコアが横ばいになると学習の効果を疑いたくなるが、原因は語彙の定着不足ではなく、覚えた表現をとっさに使う訓練が不足していたことにあった。シャドーイングの回数を1日5回から10回に増やし、覚えたフレーズを声に出す機会を意識的に増やしたところ、2週間ほどでスコアが再び上向いた。停滞期は伸びる前触れと捉え、演習量よりも同じ教材の反復回数を増やす方が効果的な場合が多い。停滞期は精神的にも辛く感じやすいが、同じ時期にスコアが伸び悩んだ学習者は少なくない。学習ログをつけて技能ごとの学習時間を可視化しておくと、伸び悩みの原因を客観的に把握しやすくなり、無闇に演習量だけを増やす遠回りを避けられる。
おすすめ教材・学習ツール
教材選びに時間をかけすぎるより、1冊を最後までやり切ることの方がスコアには直結する。

公式問題集であるETSのOfficial Guideは出題傾向が本番に最も近く、最初の1冊として選びやすい。オンライン模試は本番形式でタイマー付きの演習ができるため、時間配分の感覚を養うのに向いている。スピーキング特化アプリは録音した自分の発話をAIが採点してくれるものを選ぶと、独学でも客観的なフィードバックを得やすい。単語学習にはスペースドリピティション方式のアプリを併用すると、覚えた語彙を長期記憶に定着させやすい。学習仲間やオンラインコミュニティに進捗を共有する習慣をつけておくと、モチベーションの維持にもつながる。
よくある質問
Q. 初心者はまず何点を目指せばいい?
大学院出願の多くは80点前後を目安にしているため、初心者はまず80点到達を最初の目標にするとよい。文部科学省が公表している英語4技能試験のCEFR対照表では、TOEFL iBT 72点前後がCEFR B2レベルに位置づけられている。詳細は文部科学省のCEFR対照表で確認できる。
Q. 独学とスクール、どちらが向いている?
4技能の基礎が固まっている人は独学でも十分にスコアを伸ばせるが、スピーキングとライティングの添削だけは独学だと客観視しづらい。この2技能に限ってオンライン添削サービスを併用する人が多い。
Q. TOEFLとIELTSはどちらを選ぶべき?
出願先の大学がどちらのスコアを指定しているかで選ぶのが基本になる。北米の大学院はTOEFLを指定するケースが多く、イギリスやオーストラリアの大学院はIELTSを指定するケースが多い。
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まとめ
TOEFLは付け焼き刃の対策では点数が伸びにくい試験だ。基礎固め・4技能別の学習・弱点の可視化という順序を守れば、初心者でも着実にスコアを積み上げられる。今日の学習時間から逆算して、まずは1ヶ月目の基礎固めから始めてみてほしい。スコアの伸びは直線的ではなく、停滞期を挟みながら段階的に上がっていくものだと理解しておくと、途中で心が折れにくくなる。4ヶ月という期間はあくまで一つの目安であり、現在の実力と目標スコアの差を踏まえて無理のない学習計画を立てることが何より重要だ。焦らず一歩ずつ積み重ねていけば、初心者でも着実にスコアを伸ばせる。自分の弱点を正しく把握し、正しい順序で学習を積み重ねることこそが、遠回りに見えて最短のスコアアップへの道になる。