旅行業務取扱管理者の取り方|資格の種類と取得までの流れ

Photo by Robert Munteanu on Pexels

「旅行業務取扱管理者にはどんな種類があって、資格の取り方はどこから調べればいいんだろう」。都内の旅行会社で事務職として働く佐藤美咲さん(仮名・28歳)は、そんな疑問を抱えて情報収集を始めた一人だ。社会人3年目を迎え、ツアー企画の仕事に携わりたいと考えたことがきっかけで、資格取得を本格的に検討し始めた。

※本記事で紹介する佐藤さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。

旅行業務取扱管理者とは?資格が果たす役割

旅行業務取扱管理者は、旅行会社が旅行商品を企画・販売・手配する際に、法令順守の観点から業務を管理・監督する国家資格だ。各営業所に一定数の有資格者を配置することが旅行業法で義務付けられている。資格がなければ管理者として業務を統括できないため、この資格の取り方を理解しておくことは旅行業界でのキャリアアップに直結するまた、旅行業法違反が発覚した営業所は業務停止命令の対象となる場合があり、有資格者の配置は消費者保護の観点からも重要な役割を担っている資格の取り方を誤って理解すると、必要な区分を取得しないまま業務に就いてしまうリスクもあるため、まずは自社の営業所がどの区分を必要としているかを確認したうえで取り方を検討するとよい。

3種類の資格の違い(総合・国内・地域限定)

travel agency office desk with brochures

この資格には「総合」「国内」「地域限定」の3区分があり、それぞれ扱える旅行商品の範囲や資格の取り方が異なる。自分が目指すキャリアに合わせて、どの区分を取得すべきか見極める必要がある。区分選びを誤ると、後から上位資格を取り直す手間が発生するため、最初の選択がその後の学習計画を左右する。

総合旅行業務取扱管理者

海外・国内を問わず、すべての旅行商品を取り扱える最上位区分だ。海外旅行を扱う旅行会社の営業所には、この資格の保有者を置くことが必須になる。取り方としては、後述する国内区分から段階的に挑戦するルートと、最初から総合資格を目指すルートの両方があり、学習期間や難易度は大きく異なる。試験は日本旅行業協会(JATA)が実施する。

国内旅行業務取扱管理者

取り扱えるのは国内旅行商品に限られるが、受験のハードルは総合区分より低く、資格取得の入り口として選ばれやすい。国内旅行専門の旅行会社や、総合資格取得へのステップとして選ぶ人が多く、実務未経験からでも挑戦しやすい区分といえる。試験は全国旅行業協会(ANTA)が実施する。

地域限定旅行業務取扱管理者

特定の市区町村など、限られたエリアの旅行商品のみを扱える区分だ。地域に根ざした小規模な旅行会社や、地域観光に特化した事業者からの需要が高い。他の2区分より取り方がシンプルで、出題範囲も限定的な点が特徴だ。試験は観光庁が実施している。

Photo by Monstera Production on Pexelsあわせて読みたい国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者の違いを解説総合・国内・地域限定の3種類の違いを業務範囲別に詳しく比較しています

受験資格と試験を実施する団体

旅行業務取扱管理者の試験は、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できる。この間口の広さが、異業種からの転職者にも人気が高い理由の一つだ。ただし出題範囲は法令・約款・実務と幅広く、独学だけで合格するには相応の準備期間が必要になる。

試験を実施する団体は区分ごとに異なり、資格の取り方を調べる際はまずどの団体が窓口かを確認するのが近道だ。総合は日本旅行業協会(JATA)、国内は全国旅行業協会(ANTA)、地域限定は観光庁がそれぞれ試験事務を担う。出願方法や試験日程は各団体の公式サイトで毎年公表される問い合わせ窓口は各団体のコールセンターやメールフォームが用意されており、出願書類の記入方法や受験地の変更など、不明点があれば早めに確認しておくと安心だ。

資格取得までの5ステップ

person studying with textbook and laptop

資格の取り方を具体的なステップに落とし込んでおくと、学習計画が立てやすくなる。ここでは総合・国内どちらにも共通する基本的な取得の流れを紹介する。

  1. 目指す区分(総合・国内・地域限定)を決める
  2. 試験実施団体の公式サイトで受験案内・出願期間を確認する
  3. 独学か通信講座かを選び、学習計画を立てる
  4. 出願手続きを行い、受験料を納付する
  5. 試験当日に受験し、合格発表を待つ

総合・国内試験は例年、出願が春〜夏、試験本番が秋に行われる。地域限定は観光庁が随時実施するため、資格の取り方に沿ったスケジュール確認は公式サイトで行うのが欠かせない。出願期間を逃すと次の受験機会まで1年近く待つこともある特に出願手続きは書類不備による差し戻しが起こりやすいため、余裕を持って出願締切の1〜2週間前には準備を終えておくと安心だ。受験票が届くまでの期間も団体によって差があるため、事前に目安を確認しておきたい。

独学と通信講座、どちらを選ぶか

出題範囲の広さから、独学だけで挑む場合は市販テキストと問題集を繰り返し解く学習が中心になる。法令科目は暗記量が多く、独学だけでは理解が追いつかず挫折しやすい。特に旅行業法の細かな規定は、テキストを読むだけでは記憶に定着しにくいという声が多い。

一方、通信講座は法令の解釈をかみ砕いた講義動画や、添削指導が受けられる点が強みだ。仕事や家事と両立しながら学習する社会人には、通信講座で学習ペースを管理してもらう進め方が向いている。費用はかかるが、独学で挫折した末に再受験するコストを考えれば十分に見合う選択肢だ費用相場の目安は、独学なら教材費のみで1万円前後、通信講座は3万〜6万円程度だ。学習時間は独学で200〜300時間、通信講座を活用すれば150〜250時間程度に短縮できたという声も多い。

Photo by RDNE Stock project on Pexelsあわせて読みたい旅行業務取扱管理者を独学で目指す勉強法とスケジュール実例独学での学習計画や1日あたりの学習時間の目安を具体的に紹介しています

佐藤さんが感じた壁と乗り越え方

woman smiling at travel agency counter

佐藤さんが最初につまずいたのは、旅行業法の細かな規定を覚える作業だった。参考書を読むだけでは頭に入らず、模擬試験で同じ論点を何度も間違えていたという。独学での資格の取り方に限界を感じ、方針を切り替えることにした。

そこで市販テキストに加えて通信講座を併用し、通勤時間にスマートフォンで講義動画を視聴する習慣を作った。約4ヶ月の学習を経て国内旅行業務取扱管理者試験に合格し、その後は社内異動でツアー企画担当に就いた。今では後輩から資格の取り方を相談されることも増えたという特に苦手だった旅行業法の罰則規定は、通勤時間に加えて休日にも30分だけ問題演習に充てる習慣を作ってからようやく得点が安定した。模試で6割を切っていたスコアが、本番では8割近くまで伸びたという。

よくある質問

Q. この資格の取り方は独学でも可能ですか?
A. 独学での合格も可能だが、法令科目の学習量が多いため、通信講座を併用して効率よく進める人も多い。市販テキストだけで挑む場合は、模擬試験で理解度をこまめに確認するとよい。

Q. 総合と国内、どちらから受けるべきですか?
A. 海外旅行を扱いたいなら総合、国内旅行会社での勤務が中心なら国内から始める取り方が一般的だ。総合は出題範囲が広く、学習期間も国内区分より長くなる傾向がある。

Q. 資格取得後にどんな仕事に就けますか?
A. 旅行会社の営業所での管理者業務のほか、ツアー企画や商品造成など、資格取得前より裁量のある業務を任されやすくなる。管理者として配置されることで、待遇面の変化につながるケースもある。

まとめ

この資格には総合・国内・地域限定の3区分があり、目指すキャリアに応じて資格の取り方が変わる。受験資格に制限はないが、出題範囲の広さから独学と通信講座のどちらで学ぶかは早めに決めておきたい。

佐藤さんのように働きながら合格を目指す場合、通勤時間などのすきま時間を活用した学習が有効だ。まずは目指す区分を決め、試験実施団体の公式サイトで自分に合った資格の取り方と最新の受験案内を確認するところから始めよう早めに一歩を踏み出すことが、将来のキャリアの選択肢を広げる近道になるはずだ資格の取り方に迷ったときは、まず総合・国内・地域限定のどの区分が自分のキャリアに必要かを整理し、それぞれの取り方の違いを比較しながら自分に合った取り方を選ぶことから始めるとよいだろう。

この記事についてお問い合わせ →