「防災士になりたいが、何から始めればいいのか分からない」——そんな不安を抱えている方は少なくありません。実は同資格は独学で挑戦できる試験ではなく、決められた研修と講習を順番にクリアしていく「手続き型」の資格です。
地方自治体で総務課の防災担当に異動になった佐伯直樹さん(38歳)は、右も左も分からないまま防災士資格の取得を決意しました。取り方の情報を一つずつ集めながら、約2ヶ月半かけて認証登録までたどり着きました。
※ここで紹介する佐伯さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
この記事では、防災士資格の取り方と取得までの流れを、佐伯さんの体験を交えながら4つのステップで解説します。取り方の順番を間違えると手戻りが発生するため、まずは全体の流れをつかんでおきましょう。
防災士資格取得までの流れ全体像(4ステップ)

同資格は、以下の4つのステップをすべて完了して初めて取得できます。どこか1つでも欠けても認証登録はできません。全体の流れをこの取り方で事前に把握しておくと、途中でつまずくリスクを減らせます。全体の流れを一度掴んでおけば、各ステップの取り方に迷うことは少なくなるはずです。
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| ①研修受講 | 認証研修機関の「防災士養成研修講座」を受講し履修証明を取得 | 自宅学習+会場2日間 |
| ②資格試験 | 資格取得試験に合格(3択30問・正答率80%以上、日本防災士機構公表) | 研修最終日に実施 |
| ③救急救命講習 | 公的機関の講習を受け修了証を取得(5年以内発行のもの) | 別日程で1日 |
| ④認証登録申請 | 日本防災士機構へ書類一式を提出 | 申請後数週間 |
佐伯さんの場合、①〜④を合計約2ヶ月半で終えました。この一連の取り方の流れの中で、とくに時間がかかったのは③の救急救命講習の日程調整だったといいます。次の章から、この流れをステップごとに詳しく見ていきましょう。
ステップ1: 防災士養成研修講座を受講する
最初の関門は、日本防災士機構が認証した研修機関が実施する「防災士養成研修講座」の受講です。大学や民間の研修センターなど、全国に複数の実施機関があります。実施機関によって日程や会場が異なるため、自分の生活圏で通いやすい機関を選ぶことがポイントです。
研修内容と学習範囲
研修は全21講目で構成され、災害発生のしくみ・災害情報・公的機関の対策・自助共助の考え方・防災士制度の5領域から、最低12講目以上を履修する必要があります。申込後は「防災士教本」をはじめとする教材一式が自宅に届き、会場研修前に事前学習を進める流れです。佐伯さんは教材到着後、通勤時間を使って3週間かけて教本を読み込み、その後2日間の会場研修に参加しました。事前学習を怠るとこの研修の内容についていけないため、この3週間は欠かせない期間だったと振り返っています。
研修費用の相場
研修費用は実施機関によって差があり、4万円台〜6万円台が目安です。佐伯さんは費用相場を事前に調べておらず、予算申請の段取りに苦労したと語ります。申込前に複数の研修機関の料金を比較検討しておくと安心です。各機関のホームページで料金表を公開している場合が多いので、早めに確認しておきましょう。研修選びから試験までの流れを把握しておくことが、円滑な取り方の第一歩です。
ステップ2: 資格取得試験に合格する

研修最終日には、日本防災士機構が実施する資格取得試験が行われます。出題形式は3択式30問で、正答率80%以上(24問以上正解)が合格ラインです。受験料は3,000円(税込)です。電卓や計算問題はなく、テキストの内容を理解していれば得点しやすい試験です。試験範囲は研修で学んだ5領域そのものなので、事前学習をきちんと済ませていれば合格は難しくありません。佐伯さんは27問正解(正答率90%)で合格し、「教本の太字部分を中心に復習すれば十分対応できた」と話しています。試験に合格すると、次は救急救命講習へと進む流れになりますが、ここでの取り方を誤ると手戻りが生じます。この流れを止めずに、合格後すぐ講習の日程を確認しておくと後の負担が減ります。
ステップ3: 救急救命講習を修了する
研修を修了し、試験に合格したら、次は公的機関が実施する救急救命講習の受講です。全国の消防署・自治体・日本赤十字社などが開催する講習を受け、心肺蘇生法とAEDの使用方法を学びます。修了証は発行から5年以内のものが有効です。
この講習の取り方(受講先の選び方)は地域によって差があります。佐伯さんはここでつまずきました。自治体主催の講習は年数回しか開催されず、研修講座のスケジュールと日程が合わなかったのです。早めに情報収集を始めることで、こうした日程の壁を回避しやすくなります。最終的に自費で日本赤十字社主催の救急法講習を探して受講し、事なきを得ました。研修申込前に、居住地の消防署や自治体の講習カレンダーを確認しておくと、こうした日程調整の手間を減らせます。この講習から認証登録までの流れ、そして全体の取り方の流れを俯瞰しておくと、当日になって慌てることが少なくなります。
ステップ4: 日本防災士機構へ認証登録申請する
研修履修証明・試験合格・救急救命講習修了証がすべて揃ったら、認証登録申請に進みます。申請の取り方はシンプルで、申請料5,000円(税込)とともに必要書類一式を郵送すると、数週間で「防災士証」が発行されます。佐伯さんはこの最終ステップを終えたとき、「ようやく一区切りついた」と安堵したそうです。認証登録が完了して初めて、正式に「防災士」を名乗れるようになります。証書が届くまでの数週間は、次にやるべきことを考える良い準備期間になったと佐伯さんは話しています。認証登録までのこの流れを振り返ると、書類に不備がなければ申請からおよそ3〜4週間で防災士証が届く流れが一般的です。焦らず郵送状況を確認しましょう。
防災士資格取得にかかる費用と期間の目安

ここまでの取り方の流れにかかる費用を合算すると、総額はおおむね5万円台〜7万円台になります。内訳は以下の通りです。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 研修講座費用 | 40,000円〜60,000円程度(機関により異なる) |
| 資格試験受験料 | 3,000円 |
| 救急救命講習 | 無料〜数千円(開催機関による) |
| 認証登録申請料 | 5,000円 |
期間については、申込から認証登録まで平均して2〜3ヶ月を見込んでおくと余裕を持って進められます。佐伯さんのケースも約2ヶ月半でした。この流れ全体を、取り方の順番から逆算してスケジュールを組むと、直前で慌てずに済みます。とくに研修講座から資格試験までの流れは日程が連続しているため、有給休暇の調整を早めに行い、その流れで手続きを進めるのがこの取り方のコツです。逆に救急救命講習の予約が遅れると、全体の流れが1ヶ月近く延びることもあるため注意が必要です。
自治体の助成制度と時短ルートで負担を減らす方法
研修費用の負担を軽くしたい場合は、居住する自治体に助成制度がないか確認してみましょう。同資格の育成に力を入れている自治体では、研修費用の一部または全額を補助する制度を設けているケースがあります。問い合わせ窓口は、多くの場合、自治体の防災担当課です。全国の防災施策の全体像は内閣府 防災情報のページでも確認できます。
また、日本赤十字社の「救急法救急員」資格をすでに持っている場合は、救急救命講習が免除され、研修も短縮版(1日間)で完了できるルートが用意されています。この時短ルートの取り方の流れは通常ルートと申請窓口が同じなので、医療・福祉関連の職種の方は活用できないか確認しておくとよいでしょう。助成制度の申請手続きや時短ルートの取り方は自治体ごとに窓口や必要書類が異なるため、この流れを事前に自治体の防災担当課へ問い合わせておくと、資格取得までの流れ全体をスムーズに進められます。
よくある質問
防災士資格の取り方で最初に何をすればいいですか?
防災士資格の取り方は、まず認証研修機関を選んで「防災士養成研修講座」に申し込むところから始まります。研修機関ごとに実施地域や日程が異なるため、日本防災士機構の公式サイトで近隣の機関を探すのが最初のステップです。申し込み後の流れとしては、教材到着→事前学習→会場研修→資格試験という順番で進むため、この流れを意識してスケジュールを立てましょう。
防災士資格取得までの流れは独学でも進められますか?
防災士資格取得までの流れは、研修受講が必須のため独学では完結できません。教本を使った自宅学習は可能ですが、会場研修・資格試験・救急救命講習はいずれも対面での受講が求められます。事前に必要な日数と持ち物を確認しておくとスムーズです。取り方を誤ると受講順序が入れ替わり、この流れ通りに進められなくなる場合があるため注意しましょう。
防災士資格の取り方で最短ルートはありますか?
日本赤十字社の「救急法救急員」資格を持っている方は、救急救命講習が免除され、研修も短縮版で完了できる取り方が用意されています。通常ルートより日数を短縮できるため、該当資格をお持ちの方は活用をおすすめします。この短縮ルートを選ぶ際の取り方は、流れも含めて通常ルートと同じ申請窓口で資格取得の手続きが完結します。
まとめ
防災士資格は、独学ではなく研修受講・資格試験・救急救命講習・認証登録申請という4つのステップを順番にクリアして取得します。この取り方の流れを押さえておけば、途中で迷うことはありません。費用は総額5万円台〜7万円台、期間は2〜3ヶ月が目安になります。
佐伯さんのように救急救命講習の日程調整でつまずかないよう、研修申込前に居住地の講習カレンダーと自治体の助成制度を確認しておくことをおすすめします。日本防災士機構の公式サイトで最新の研修機関一覧をチェックし、防災士資格取得への第一歩を踏み出してみてください。防災士資格取得の流れと取り方を事前に押さえておくことが、スムーズな資格取得への近道です。 迷ったときは、この記事の該当ステップに戻って確認してみてください。