防災士の難易度と合格率|9割合格の理由と費用の壁

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「防災士の資格を取ろうと思うけど、試験に落ちたらどうしよう」。自治会の役員に選ばれ、地域の自主防災組織づくりを任された佐藤和之さん(仮名・45歳)は、申し込み前にそんな不安を抱えていました。

※ここで紹介する佐藤さんの体験は、複数の防災士取得者の声をもとに構成した架空のケースです。

結論から言うと、防災士試験の合格率は例年9割前後で推移しており、身構えるほどの難易度ではありません。ただし合格率が高い理由を知らないまま申し込むと、研修の日程調整や受講費用の負担で想定外の壁にぶつかることもあります。この記事では最新の合格率データと難易度の実態、見落としがちな注意点までまとめます。

防災士試験の合格率は?最新データで確認する

日本防災士機構が公表している2024年度の資格取得試験の合格率は91.8%でした(出典: 日本防災士機構)。近年の合格率をまとめると、以下のように毎年90%前後で安定しています。

年度 合格率(目安)
2024年度 91.8%
2023年度 92%程度
2022年度 91%程度
2021年度 91%程度
2020年度 87%程度

2020年度だけやや低いのは、新型コロナ禍で研修日程が変則的になり、事前学習が不足したまま受験した人が一定数いたためと考えられます。それ以外の年は90%を上回る水準が続いており、単年の数値に一喜一憂する必要はありません。都道府県別に見ても大きな差は少なく、研修修了者の大半がそのまま合格に至っている点が、この試験の合格率の高さを裏付けています。

防災士試験の難易度が低いと言われる理由

防災士試験は50分間で30問、三肢択一形式で出題され、8割にあたる24問以上の正解で合格します(出典: 防災士研修センター)。この形式自体は多くの資格試験と比べても標準的で、突出して難しい部類ではありません。

合格率が高い最大の理由は、試験前に2日間の集合研修を修了していることです。研修では防災士教本に沿った講義が行われ、出題範囲がそのまま授業内容と重なります。佐藤さんも研修2日目の午後、講師が「ここは試験に出ます」と繰り返し強調した箇所をノートにまとめ直しただけで、当日は落ち着いて解答できたと振り返っています。

person taking notes disaster prevention seminar

つまり防災士試験の難易度が低いというより、受験者全員が同じ教材・同じ研修を受けたうえで試験に臨む設計になっている、と捉えるほうが実態に近いといえます。研修を欠席せずに参加すれば、体感する難易度は決して高くありません。逆に研修内容を軽視すると、同じ試験でも感じる難易度は大きく変わってきます。

合格率が高くても油断できない3つの注意点

合格率9割超という数字だけを見て、難易度を甘く見て準備を怠ると、思わぬところでつまずきます。佐藤さんの体験も踏まえ、注意しておきたい点を3つ紹介します。合格率の高さだけで難易度を判断すると、思わぬ壁にぶつかることがあります。

  • 事前学習レポートの提出漏れ: 研修申込後に配布される事前学習レポート(ワークシート)は、研修当日までに提出しないと受講資格を失う場合があります。佐藤さんも提出期限の1週間前まで手を付けておらず、休日を丸1日使って仕上げました。
  • 研修当日の欠席: 集合研修は原則2日間連続で、いずれか1日でも欠席すると受験資格が得られません。振替制度は主催団体によって扱いが異なるため、事前に確認が必要です。
  • 教本の暗記に頼りすぎる: 出題は用語の丸暗記よりも状況判断を問う設問が多く、教本を読んだだけで解けない問題も一定数出ます。研修中の演習やグループワークでの気づきが得点に直結します。

防災士研修から試験当日までの流れ

研修の申し込みから資格取得までは、佐藤さんの場合でおよそ2か月半かかりました。地域や研修機関によって前後しますが、大まかな流れは共通しています。

community disaster drill training group
  1. 研修機関(自治体・日本防災士会・大学等)に申し込み
  2. 事前学習レポート(教本をもとにしたワークシート)を提出
  3. 2日間の集合研修を受講(最終日午後に効果測定試験)
  4. 試験合格後、救急救命講習(消防署等)を受講・修了証を提出
  5. 日本防災士機構へ認証登録申請→防災士証交付

目安として、申し込みから研修受講までは2〜4週間、研修修了から認証登録完了までさらに1〜2か月程度を見ておくと安心です。

試験に合格しても、救急救命講習の修了証を提出するまでは正式な防災士として認証されません。佐藤さんはこの最後の手続きを後回しにして、認証登録が3か月近く遅れたと話しています。

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受講費用の壁―合格率だけでは見えない負担

防災士の難易度を語るうえで見落とされがちなのが、受講費用です。研修受講料はおおむね5万円台後半から6万円台が相場で(出典: 日本防災士機構)、これに教本代・救急救命講習の実費が加わります。試験そのものの合格率は高くても、この費用をどう捻出するかで申し込みを迷う人は少なくありません。数字上の合格率だけでは測れない体感の難易度がある点は、申し込み前に知っておきたいところです。

自治体の補助金・助成制度を確認する

市区町村によっては、防災士養成研修の受講料を一部または全額補助する制度を設けています。佐藤さんの自治体でも半額補助があり、実質負担は3万円程度に抑えられました。制度の有無や上限額は自治体ごとに異なるため、居住地の防災担当課や広報紙で確認しておくと安心です。

よくある質問

防災士試験に落ちる人はいますか?

ごく少数ですが不合格になる人もいます。体感する難易度は年度や研修機関によって多少差があり、教本の読み込みが浅いまま臨むと苦戦することもあります。研修を欠席せず教本の内容を一通り理解していれば、合格ラインの8割正解は十分に届く水準です。逆に言えば、教本を読み込まずに臨んだ場合の難易度は決して低くありません。

独学だけで防災士になれますか?

なれません。防災士の認証には日本防災士機構が認証した研修機関での集合研修受講が必須で、教本を自習しただけで試験だけ受けることはできません。制度上、試験の難易度うんぬん以前に研修受講そのものが必須条件になっている点を押さえておく必要があります。

防災士の難易度は他の資格と比べてどうですか?

合格率だけを比べると、宅建士や社会保険労務士のような合格率10〜20%台の国家資格に比べれば数字上の難易度は低めです。ただし研修受講と救急救命講習の修了が必須という点で、独学中心の資格とは負担の種類が異なります。

まとめ

防災士試験の合格率は9割前後で、試験自体の難易度は高くありません。合格率の高さは、研修受講を前提にした制度設計によるものです。一方で事前学習レポートの提出期限や研修の連続出席、5万円台後半からの受講費用など、試験以外の部分でつまずきやすいポイントがあります。佐藤さんのように自治体の補助制度を調べておけば、費用面の負担は軽減できます。合格率の数字だけで判断せず、費用面まで含めた総合的な難易度を踏まえておきましょう。申し込み前には、研修スケジュールと費用を具体的に確認しておくことが、防災士取得への一番の近道です。研修機関は日本防災士会や自治体の防災担当課のサイトから探すことができ、募集時期は地域によって異なるため早めの確認をおすすめします。難易度そのものより、事前準備の質が合格を左右する試験だと言えるでしょう。

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