登録販売者試験まで残り数週間なのに、過去問を開くたびに第3章の成分名で手が止まる。何年分を解けばいいのか、同じ問題を何周すれば合格ラインに届くのか分からず、焦りだけが募っていく。そんな状態で検索している人は少なくありません。この記事では、登録販売者の過去問対策を「何年分・何周・どの順番で」という具体的な手順に落とし込みました。
ドラッグストアでパート勤務をしながら受験した佐藤さん(34歳)は、最初の過去問で120問中62問しか取れませんでした。そこから過去問5年分を3周し、本番では98問を正解して合格しています。彼女がつまずいた箇所と立て直し方を、各セクションで紹介していきます。
※ここで紹介する佐藤さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
出題形式と合格基準を先に押さえる
過去問に取りかかる前に、試験の作りを把握しておくと「どの章で何点取るか」の作戦が立てやすくなります。登録販売者試験は都道府県ごとに実施されますが、出題範囲は厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」で全国共通です。全120問を午前・午後の各120分で解く形式が一般的です。
5つの章の問題数と、過去問演習での位置づけは次のとおりです。
| 章 | 問題数 | 主な内容 | 過去問での位置づけ |
|---|---|---|---|
| 第1章 | 20問 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 出題パターンが固定的で得点源 |
| 第2章 | 20問 | 人体の働きと医薬品 | 臓器の働きを図で整理すると安定 |
| 第3章 | 40問 | 主な医薬品とその作用 | 配点最大。周回数を最も多くする |
| 第4章 | 20問 | 薬事関係法規・制度 | 条文の数字と用語で差がつく |
| 第5章 | 20問 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 添付文書の定型表現を覚えれば高得点 |
合格基準は総得点の7割以上(120問中84問以上)に加え、各章で35%または40%以上の正答が必要です。章ごとの足切り基準は都道府県によって異なるため、受験先の試験案内で確認してください。1つの章を丸ごと捨てる作戦は使えないので、過去問も全章を均等に回すことが前提になります。
過去問は何年分・何周解けば足りるか
過去問の量について、問題集や講座の多くは「3〜5年分」を推奨しています。ここでは独学で4〜6ヶ月学習する人を想定し、無理なく合格点に届く量の目安を整理します。
目安は直近5年分を3周
1ブロック1年分が120問なので、5年分を1つのブロックで揃えると600問になります。これを3周すると延べ1,800問です。毎日60問ずつ解けば1周に10日、3周で約1ヶ月の計算になります。佐藤さんは仕事のある日は30問、休日は90問のペースで回し、3周目に入った時点で正答率が8割を超えました。
年数を増やすより、同じ問題の周回数を増やすほうが得点は伸びやすいです。登録販売者試験は手引きの同じ記述から繰り返し出題されるため、5年分を確実に理解すれば頻出論点の大半を押さえられます。時間に余裕があれば、受験するブロック以外の過去問で問題数を補う方法もあります。
手引き改訂前の問題は解説の更新を確認する
手引きは医薬品の情報や制度の変更にあわせて改訂されており、最新版は令和8年4月に公表されました。改訂前に作られた過去問は、当時は正解だった選択肢が現在は誤りになっている場合があります。都道府県が公開する問題と正答は出題当時のままなので、古い年度ほど注意が必要です。
市販の過去問集には、最新の手引きにあわせて解説を修正した版があります。年度の古い問題を解くときは、こうした改訂対応の解説で答えを確かめる習慣をつけておくと、誤った知識を覚え込む事故を防げます。
過去問の入手方法と教材の選び方
登録販売者の過去問は、無料の公式資料と有料の問題集・アプリの両方から入手できます。どちらか一方に絞るより、目的別に使い分けると効率が上がります。
都道府県・ブロックの公式サイトで無料で入手できる
多くの都道府県は、実施した試験問題と正答をホームページで公開しています。たとえば東京都は「登録販売者試験」のページで、首都圏ブロックの問題と正答を掲載しています。公開期間や年数は自治体ごとに異なるため、必要な年度は早めにダウンロードしておきましょう。
公式の過去問には解説が付いていません。正答番号だけでは、なぜその選択肢が誤りなのかを確認できないのが弱点です。初めて解く1周目では、解説を読める教材と組み合わせることをおすすめします。
解説付き問題集とアプリの使い分け
紙の過去問集は、全選択肢の正誤理由と頻出度が載っているものが多く、1周目の理解に向いています。スマートフォンのアプリは章別の一問一答や間違えた問題だけの復習機能があり、通勤中の2周目・3周目に便利です。佐藤さんは自宅で問題集、休憩時間にアプリと使い分け、1日の学習時間を細切れでも確保しました。
テキストの選び方は「登録販売者テキストおすすめ8選」で詳しく比較しています。独学に不安がある人は、過去問演習と添削がセットになった通信講座を検討するのも一つの方法です。
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過去問を得点に変える3周の回し方

過去問を解いて丸付けするだけでは、正答率はなかなか上がりません。周回ごとに目的を変えると、同じ問題からでも得られる知識が増えていきます。ここでは佐藤さんが実践した3段階の回し方を紹介します。
1周目:章別に解いて出題パターンをつかむ
1周目は年度順ではなく、章ごとにまとめて解きます。第1章を5年分続けて解くと、同じ論点が言い回しを変えて何度も出ていることに気づけます。この段階では正答率を気にする必要はありません。解説を読み、テキストの該当ページに過去問の出題年度を書き込んでおくと、頻出箇所が一目で分かるようになります。
2周目:誤答の選択肢を自分の言葉で直す
2周目は、間違えた問題の「誤っている記述」を正しい文に書き直します。たとえば「〇〇は眠気を催さない」という誤り記述なら、「〇〇は眠気を催すことがある」とノートに残します。佐藤さんはこの書き直しノートが最終的に40ページほどになり、試験前日の見直し資料として使いました。
3周目:本番と同じ240分で通し演習する
3周目は、1年分の120問を午前・午後に分けて本番と同じ時間で解きます。目標は時間内に解き終え、総得点と各章の足切りを両方クリアすることです。章別の得点を記録しておくと、試験直前に優先して見直すべき章がはっきりします。
章別の過去問対策と得点の上げ方
5つの章は性質が違うため、過去問の使い方も変える必要があります。配点の大きい第3章と、短期間で伸ばしやすい第4章・第5章を中心に、章別のポイントをまとめました。
第3章は成分名を「症状×副作用」で覚える
第3章は40問と配点が最も大きく、多くの受験者がつまずく章です。佐藤さんも初回は40問中17問で、足切り寸前でした。成分名を単独で暗記するのではなく、「かぜ薬」「胃腸薬」など薬効群ごとに、どの症状に使い、どんな副作用や注意事項があるかをセットで覚えると定着します。過去問で間違えた成分は、薬効群の一覧表に印を付けて弱点を見える形にしましょう。
第4章と第5章は数字と用語で得点源にする
第4章の薬事関係法規は、条文の数字や用語の取り違えを問う問題が中心です。販売従事登録の手続き、医薬品の区分、広告規制などは過去問の繰り返しで正答率を上げやすい分野です。第5章は添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」の定型表現が頻出します。この2章で8割以上を取れると、第3章の失点をカバーできます。
第1章・第2章は過去問の繰り返しで安定させる
第1章は医薬品の本質やリスク評価など、出題の型がほぼ決まっています。第2章は消化器・循環器などの臓器の働きと、副作用の症状が問われます。どちらも過去問を2〜3周すれば7〜8割を安定して取れるようになるため、時間をかけすぎず、第3章の学習時間を確保することを優先しましょう。
正誤組み合わせ問題を落とさない解き方
登録販売者試験では、4つの記述の正誤を判断し、正しい組み合わせを5択から選ぶ形式がよく出ます。すべての記述を確実に判定できなくても、消去法で正解にたどり着ける問題は少なくありません。
コツは、自信を持って判定できる記述から先に決めることです。たとえば記述aが「誤」と確信できれば、aを「正」としている選択肢をすべて外せます。残った選択肢を見比べ、正誤が分かれている記述だけを検討すれば、判断する記述の数を減らせます。佐藤さんはこの解き方を3周目で徹底し、1問あたりの解答時間を平均90秒から60秒程度まで短縮しました。
注意したいのは、「必ず」「すべて」「のみ」といった断定表現です。こうした語を含む記述は誤りである場合が多いものの、例外もあります。過去問で断定表現が正しかったケースをノートにまとめておくと、本番で迷ったときの判断材料になります。
試験日が遅いブロックは他ブロックの今年の問題を使う

登録販売者試験は全国を複数のブロックに分け、例年8月から12月にかけて順番に実施されます。令和8年度は近畿ブロックが8月30日、首都圏ブロックが9月6日に試験を終えました。秋以降に受験する人は、すでに公開された今年の他ブロックの問題を、手引き改訂後の最新問題として演習に使えます。
ブロックが違っても出題範囲は同じ手引きなので、論点の傾向は共通しています。特に令和8年4月の改訂箇所がどう問われたかを確認できる点は、古い過去問にはない利点です。正答率の目安として、関西広域連合が実施した近畿ブロックの合格率は52.2%と報じられています。
直前1ヶ月の学習は、受験ブロックの過去問3周目と、他ブロックの今年の問題1〜2セットを組み合わせるのがおすすめです。初見の問題で7割を超えられれば、本番でも合格ラインに届く可能性が高いと判断できます。
よくある質問
過去問だけで合格できますか?
過去問だけでも合格する人はいますが、解説付きの問題集かテキストを併用するほうが確実です。登録販売者試験は手引きの同じ記述から繰り返し出題されるため、過去問は最良の教材になります。ただし正答番号だけでは理解が浅くなりやすく、表現を変えた問題に対応できません。
他県の過去問を解いても意味はありますか?
出題範囲は全国共通の手引きなので、他県の過去問も十分に役立ちます。受験するブロックの問題を一通り解き終えたあと、演習量を増やす目的で活用しましょう。ブロックによって難易度に差があり、令和7年度の合格率は都道府県別で23.2%から54.8%まで開きがありました。難しめのブロックの問題も解いておくと、本番での動揺を防げます。
試験まで1ヶ月しかない場合は?
1ヶ月しかない場合は、直近3年分に絞って2周するのが現実的です。配点が大きい第3章と、短期間で伸びやすい第4章・第5章を優先し、第1章・第2章は1周目で取れた問題を落とさない程度に見直します。学習全体の進め方は「登録販売者に独学4ヶ月で合格する勉強法」も参考にしてください。
まとめ
登録販売者の過去問対策は、直近5年分を3周するのが基本の目安です。1周目は章別に出題パターンをつかみ、2周目は誤答の記述を書き直し、3周目は本番と同じ時間で通し演習を行います。手引きは令和8年4月に改訂されているため、古い年度の問題は改訂対応の解説で答えを確認してください。
試験日が秋以降の人は、すでに実施された他ブロックの今年の問題が最良の直前教材になります。第3章の成分名で手が止まっていた佐藤さんも、周回ごとに目的を変えたことで本番では98問を正解できました。残りの日数から逆算して、今日解く問題の量を決めるところから始めてみてください。