基本情報技術者試験の勉強時間の目安を調べると「50時間」「200時間」「300時間」と数字がバラバラです。自分がどれに当てはまるのか分からず、手が止まっていませんか。メーカーで営業職として働く中村さん(29歳)も、ITパスポートに合格した翌月に同じ壁にぶつかりました。「ITパスポートで100時間かかったから、倍の200時間?」と見当をつけたものの、根拠がないまま参考書を買うのはためらわれたそうです。
※ここで紹介する中村さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
中村さんは最終的に約4ヶ月半、合計190時間ほどで科目A・科目Bの両方を突破しました。この記事では、IT未経験の人とITパスポート保有者の2パターンに分けて、必要な勉強時間とスケジュールの組み方を具体的な数字で示します。1日あたりの学習時間から受験日を逆算する方法も紹介するので、自分の計画づくりにそのまま使ってください。
基本情報技術者の勉強時間の目安は100〜200時間
結論から言うと、合格までの勉強時間はIT未経験なら200時間前後、ITパスポート保有者なら100〜130時間がひとつの基準です。IPAは公式の目安時間を公表していないため、資格スクールや通信講座各社が示す数字には100〜300時間と幅があります。幅が出る最大の理由は、スタート時点の知識量と、プログラミングに触れた経験の有無です。
出発点ごとの目安を表にまとめました。自分に近い行を見つけて、計画の土台にしてください。
| スタート時点 | 勉強時間の目安 | 1日1.5時間での期間 |
|---|---|---|
| IT未経験(文系・非IT職) | 180〜220時間 | 約4〜5ヶ月 |
| ITパスポート保有者 | 100〜130時間 | 約2〜3ヶ月 |
| IT実務経験者・情報系の学生 | 50〜80時間 | 約1〜2ヶ月 |
表の数字はあくまで「合格ラインに届くまでの平均的な量」です。科目Bのアルゴリズムに苦手意識がある人は、ここに30〜50時間を上乗せして見積もっておくと、途中で計画が崩れにくくなります。目安より早く進んだ場合は、浮いた時間を過去問演習の周回に回せば得点の安定につながります。
科目Aと科目Bで必要な時間が違う理由
現在の試験はCBT方式で、科目A(60問・90分)と科目B(20問・100分)の2つで構成されています。どちらも1,000点満点中600点以上が合格基準で、片方だけ高得点でも合格できません。出題範囲や形式の詳細はIPAの基本情報技術者試験ページで確認できます。
科目Aは用語や計算の知識を問う四肢択一で、暗記と反復で点数が伸びやすい科目です。一方の科目Bは20問中16問がアルゴリズムとプログラミング、残り4問が情報セキュリティです。擬似言語で書かれたプログラムを1行ずつ追う力が必要で、慣れるまでに時間がかかります。このため総学習時間のうち、半分前後を科目Bに充てる配分が現実的です。
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IT未経験者の勉強時間とスケジュール(約200時間)

IT未経験の人は、科目Aの基礎用語をゼロから覚えるところから始まります。2進数やデータベース、ネットワークといった分野は初見だと理解に時間がかかります。そのため最初の5週間は、科目Aのテクノロジ系に集中するのが近道です。平日1.5時間、休日3時間ずつ学習すると週13.5時間になり、約15週で200時間に届きます。
この週13.5時間ペースで組んだスケジュール例です。
| 期間 | 学習内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜5週目 | 科目A:テクノロジ系(基礎理論・コンピュータ構成・データベース・ネットワーク・セキュリティ) | 65時間 |
| 6〜7週目 | 科目A:マネジメント系・ストラテジ系 | 27時間 |
| 8〜12週目 | 科目B:擬似言語の読み方・トレース練習・セキュリティ | 68時間 |
| 13〜15週目 | 科目A・科目Bの過去問演習と弱点補強 | 40時間 |
| 合計 | - | 200時間 |
未経験者がつまずきやすいのは、8週目以降に科目Bへ入った直後です。科目Aの暗記と違い、プログラムの処理を頭の中で再現する作業は最初の10時間ほど手応えがありません。ここで「向いていない」と判断せず、1日1問でもトレースを続けることが、200時間で収まるかどうかの分かれ目になります。
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ITパスポート保有者の勉強時間とスケジュール(約120時間)
ITパスポートに合格している人は、ストラテジ系・マネジメント系の用語をすでに一通り知っています。そのため科目Aは「知らない分野の上積み」に絞れ、未経験者の半分ほどの時間で済みます。ただし、テクノロジ系は出題の深さがITパスポートより一段上がります。基数変換の計算や、SQL・正規化の考え方は改めて学び直すつもりで取り組んでください。
平日1.5時間、休日2.5時間のペース(週12.5時間)なら、約10週で合格ラインを狙えます。
| 期間 | 学習内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜3週目 | 科目A:テクノロジ系の差分(基数変換・データベース・ネットワーク) | 35時間 |
| 4〜8週目 | 科目B:擬似言語・アルゴリズム・セキュリティ | 60時間 |
| 9〜10週目 | 科目A・科目Bの過去問演習 | 25時間 |
| 合計 | - | 120時間 |
ITパスポート保有者の配分は、総時間の半分以上を科目Bに回すのがポイントです。ITパスポートの知識が生きるのは主に科目Aで、科目Bのアルゴリズムは未経験者とほぼ同じスタートラインになります。両試験の出題範囲の違いは基本情報技術者とITパスポートの違いで詳しく比較しています。
中村さんの190時間の内訳と、科目Bで止まった3週間

ITパスポート保有者の中村さんは、当初120時間で合格するつもりで計画を立てました。使った教材は『キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者』と、過去問サイト「基本情報技術者試験ドットコム」の過去問道場の2つです。科目Aは約40時間で過去問の正答率が7割を超え、ここまでは順調でした。
誤算は科目Bに入ってからです。配列を使った探索や再帰の問題で、変数の値を追ううちに途中で分からなくなりました。3週間ほど、正答率は4割から動かなかったそうです。夜に1時間まとめて解く形をやめ、朝30分で1問トレースし、夜30分で解説を読む形に切り替えたところ、ようやく点数が上向いたといいます。
最終的な内訳は科目Aが約60時間、科目Bが約110時間、直前の模擬演習が約20時間で、合計190時間でした。本番のスコアは科目Aが745点、科目Bが690点です。合格後は社内の業務改善チームに異動し、Excelマクロで集計作業を自動化する役割を任されるようになりました。「科目Bで身につけたトレースの癖が、マクロのデバッグでそのまま役に立っている」と中村さんは振り返ります。
勉強時間を短縮できる人・長引く人の違い
短縮しやすい人の3つの条件
勉強時間が目安より短く済む人には共通点があります。1つ目はプログラミング経験で、PythonやJavaScriptを少しでも書いたことがあれば、科目Bの擬似言語を読むハードルが大きく下がります。2つ目は数学への抵抗感の少なさです。2進数や確率の計算問題で手が止まらない人は、科目Aの伸びが早い傾向があります。
3つ目は科目A免除制度の活用です。IPAが認定した講座を修了し、修了試験に合格すると、合格日から1年間は本試験の科目Aが免除されます。本番で科目Bだけに集中できるため、学習の後半を科目B対策に振り切れるのが利点です。免除制度に対応した講座は基本情報技術者の通信講座おすすめ比較で紹介しています。
勉強時間が長引きやすい3つのパターン
反対に、勉強時間が300時間を超えてしまう人にもパターンがあります。最も多いのが、参考書を最初から最後まで2周、3周と通読してから問題演習に入る進め方です。インプットに偏ると科目Bの演習時間が足りなくなり、本番直前に慌てる結果になりがちです。
受験日を決めずに勉強を始めるのも、時間が延びる典型です。CBT方式は通年で受験できるため、「準備ができたら申し込もう」と考えると締め切りの緊張感が生まれません。さらに科目Aの過去問ばかり解いて安心してしまい、科目Bの演習量が不足するケースも目立ちます。科目Bの具体的な対策は科目B対策の勉強法にまとめています。
1日の勉強時間から受験日を逆算する方法

勉強時間の目安が分かったら、次は1日に確保できる時間から受験日を決めます。計算は「必要な総時間÷1ヶ月の学習時間」で十分です。未経験の200時間と、ITパスポート保有者の120時間を基準にすると、期間は次のようになります。
- 1日1時間(月30時間):未経験は約6.7ヶ月、ITパスポート保有者は約4ヶ月
- 1日1.5時間(月45時間):未経験は約4.4ヶ月、ITパスポート保有者は約2.7ヶ月
- 1日2時間(月60時間):未経験は約3.3ヶ月、ITパスポート保有者は約2ヶ月
- 1日3時間(月90時間):未経験は約2.2ヶ月、ITパスポート保有者は約1.3ヶ月
期間が決まったら、学習を始めた週のうちに受験日を予約してしまうのがおすすめです。予約を先に済ませると、残り日数から1週間あたりの必要時間が逆算でき、遅れにも早めに気づけます。予定より遅れた場合は、科目Aの復習を削ってでも科目Bの演習時間を守るほうが合格に近づきます。試験の申込方法はIPAのCBT方式の案内ページで確認してください。
よくある質問
1ヶ月の勉強で合格できますか?
IT実務経験者や情報系の学生なら、1日2〜3時間を確保すれば1ヶ月での合格も現実的です。IT未経験の場合、1ヶ月で200時間を確保するには毎日6〜7時間の学習が必要になり、働きながらでは難しい計算です。未経験の社会人は、最低でも3ヶ月を見込んで計画したほうが安全です。
ITパスポートと比べて勉強時間は何倍ですか?
ITパスポートの勉強時間は未経験で100時間前後が一般的な目安なので、基本情報技術者はおよそ2倍と考えてよいでしょう。差が開く主な原因は科目Bのアルゴリズムで、ITパスポートには同じ形式の出題がありません。IPAの統計では、令和7年度の合格率は38.3%と4割を下回りました。最新の数値はIPAの統計情報で公開されています。
科目Bだけで何時間くらい必要ですか?
未経験者なら60〜80時間、プログラミング経験者なら30〜40時間がひとつの目安です。科目Bでは、トレースの解き方が身につくまでの最初の20〜30時間が最も苦しい時期になります。IPAが公開しているサンプル問題を早めに1回解き、自分の現在地を確かめておくと見積もりのずれが小さくなります。
独学と通信講座で勉強時間は変わりますか?
通信講座は学ぶ順番と範囲が最初から整理されているため、教材選びや計画づくりに使う時間を省けます。特に科目A免除制度に対応した講座を選べば、本試験での負担が科目Bだけになるのは大きな差です。独学で進める場合は、教材を1冊に絞ることで遠回りを防げます。おすすめの教材は基本情報技術者の参考書おすすめで紹介しています。
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基本情報技術者の勉強時間の目安は、IT未経験なら約200時間、ITパスポート保有者なら約120時間です。どちらの場合も総時間の半分前後を科目Bに充て、科目Aの暗記に偏らない配分を意識してください。科目Bに苦手意識がある人は、中村さんのように予定より時間が延びることを見込んで、30〜50時間の余裕を持たせておくと安心です。
計画づくりの手順は、1日に確保できる時間を決め、そこから受験日を逆算して先に予約するだけです。今日のうちに自分の1日の学習時間を決め、受験日を予約するところから始めてみてください。試験日が決まれば、毎日の30分にも迷いなく取り組めるようになります。