「簿記1級は取れたのに、公認会計士の勉強範囲を見て手が止まった」。経理担当として働く山田さん(仮名、32歳)は、そう振り返る。独学で半年進めた模試の点数が伸びず、通信講座に申し込んだのはある夜の残業帰りだった。
※ここで紹介する山田さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
公認会計士試験は出題範囲が広く、独学だけで合格ラインに到達するのは簡単ではない。公認会計士・監査審査会が公表した令和7年試験の結果では、出願者に対する最終合格率は7.4%、論文式試験の受験者に対する合格率は約35%だった。働きながら合格を目指す社会人にとって、通信講座選びは学習効率を左右する分かれ道になる。この記事では、おすすめの5社を最新の料金と合格実績で比較する。
公認会計士の通信講座を選ぶときに見るべき3つのポイント

通信講座は各社でカリキュラムの組み方や料金体系が大きく異なる。契約前に確認しておきたい、おすすめ講座選びの軸は次の3つだ。
費用相場
公認会計士講座の受講料は、約12万円から80万円台まで幅がある。スタディングは2028年合格パック(デジタル)が124,800円と際立って安く、LECは短答合格コースが288,000円からだ。クレアールの初学者向けWeb通信は54万〜59万円で、資格の大原やCPA会計学院の初学者コースは77万〜81万円前後が中心になる。費用だけで決めず、合格目標年度と学習期間をそろえて比べたい。
合格実績・合格率
CPA会計学院は2025年度合格者1,636名のうち1,092名を占め、占有率66.7%という実績を公表している。資格の大原は、2025年の合格者を148名と公表している(2026年2月1日現在)。合格者数だけでなく「受講生に占める合格者の割合」を確認すると、講座の指導力をより正確に判断できる。
サポート体制
質問対応の頻度・添削の有無・学習進捗管理ツールの使いやすさは、独学経験者ほど軽視しがちな部分だ。山田さんは独学期間に「疑問点を溜め込んで消化不良のまま次に進む」失敗を繰り返していた。講座選びでは質問対応のスピードを最優先した。
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おすすめ通信講座5社を費用と特徴で比較
費用・合格実績・サポート体制を踏まえて、代表的な5社の特徴を整理した。
| 講座名 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| CPA会計学院 | 73万〜81万円 | 2025年合格者1,092名・占有率66.7% |
| 資格の大原 | 77万円〜 | 2025年合格者148名。通学・通信併用可 |
| LEC東京リーガルマインド | 28.8万円〜 | 短答・論文セットは44.8万円〜 |
| クレアール | 54万〜59万円 | 通信特化。入学金・教材費込み |
| スタディング | 12.48万円〜 | スマホ完結型の低価格講座 |
料金は2026年10月時点の各社公式サイトの一般価格(税込)で、初学者向けWeb通信コースを基準にしている。合格目標年度や簿記の学習歴によって価格が変わり、期間限定の割引も頻繁に実施されるため、申込前に最新の価格を確認したい。
費用を抑えたい社会人にはスタディングやクレアールがおすすめで、合格実績を最優先するならCPA会計学院や資格の大原がおすすめの候補になる。迷ったら無料の資料請求や体験講義で相性を確認してから決めるとよい。
働きながら合格を目指す学習時間の作り方

山田さんが独学から通信講座に切り替えた後、平日は通勤中の30分と帰宅後1時間、休日は3〜4時間を学習に充てた。1日平均にすると約2時間、2年間の総学習時間は1,400時間を超えた計算になる。スマホ完結型の講座に切り替えたことで、テキストを開けない移動時間も講義動画の視聴に回せるようになった。独学期間との違いは「学習の空白時間が減ったこと」だと山田さんは振り返る。
週単位で見ると、平日5日で7.5時間、休日2日で6〜8時間、合計で週13〜15時間ほどのペースになる。繁忙期は平日の学習時間が減る分、週末にまとめて講義動画を視聴し、月次では60時間前後を目安に調整すると学習計画が崩れにくい。決算期など繁忙期前には学習ペースをあらかじめ落とし、閑散期に取り戻す計画を立てておくと無理なく継続できる。
独学と通信講座、どちらが向いているか

簿記1級レベルの基礎知識があり、自己管理に自信がある人は独学でも短答式までは到達できる。ただし論文式は科目数が多く、答案の書き方そのものを添削してもらえる環境の有無が合否を分けやすい。山田さんのように独学で一度つまずいた経験がある人は、質問対応と添削サポートが手厚い講座を選ぶことで学習の停滞を防ぎやすい。
迷ったときは、①模試の点数が伸び悩んでいるか、②答案添削を受けた経験があるか、③疑問点をその日のうちに解消できる環境があるか、の3点を確認するとよい。いずれか一つでも当てはまらない場合は、独学から通信講座への切り替えを検討する価値がある。無料体験や資料請求で講座の相性を確かめてから判断するのも有効な方法だ。
公認会計士 通信講座に関するよくある質問
独学でも公認会計士に合格できますか?
不可能ではないが、日本公認会計士協会が案内する試験制度の通り科目数が多く、独学のみで合格する人は多くない。基礎固めは独学、答案練習は通信講座という併用も選択肢になる。独学で短答式まで進み、論文式の段階から答練だけを追加する人もいる。
通信講座はどのくらいの期間で修了しますか?
標準的なカリキュラムは1.5〜2年に設計されている講座が多い。社会人が学習時間を確保しにくい場合は、2〜3年コースを選べる講座もある。クレアールのように3年スタンダードコースを用意する講座もあり、仕事が忙しい人にはこうした長期コースが向いている。
公認会計士試験の受験資格はありますか?
公認会計士・監査審査会によれば、公認会計士試験に年齢・学歴による受験制限はない。社会人・学生を問わず出願できる。受験手数料は19,500円で、短答式は年2回、論文式は年1回実施される。
初学者におすすめの通信講座はどれですか?
合格実績を重視するなら、令和7年の合格者の66.7%を占めたCPA会計学院が有力だ。費用を抑えて基礎から始めたいなら、12万円台から受講できるスタディングも候補になる。迷う場合は、簿記の学習歴と1日に確保できる学習時間を基準に2社程度へ絞り込み、無料体験で比べるとよい。
通信講座の料金を安くする方法はありますか?
各社とも期間限定の割引を頻繁に実施しており、2026年10月時点ではクレアールが一般価格の2割引、LECが3万円引きのキャンペーンを行っている。簿記検定の受験者向け割引や、過去の受講者向けの再受講割引を用意する講座もある。申込を急がず、複数社の割引時期を見比べるのがおすすめだ。
合格後の年収レンジ
公認会計士の年収は、勤務先と職位で大きく変わる。BIG4監査法人では職位に応じて550万〜2,500万円程度、準大手・中堅監査法人では500万〜1,800万円程度が一つの目安だ。試験合格後に監査法人へ入所した1年目は、年収550万円前後からのスタートが多い。
山田さんのように通信講座で論文式まで突破すれば、監査法人でのキャリアだけでなく事業会社のCFO・経理財務責任者、コンサルティングファームへの転職も選択肢に入る。大手予備校の受講料は70万〜80万円台と決して安くないが、合格後の年収レンジを踏まえると投資回収は十分に見込める。ただし合格直後の数年は、実務補習と修了考査の準備が続く点も考慮しておきたい。
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まとめ
公認会計士の通信講座は、費用・合格実績・サポート体制のバランスで選ぶ講座が変わる。費用を抑えたいならスタディングやクレアール、合格実績を優先するならCPA会計学院や資格の大原が候補だ。独学でつまずいた経験がある人ほど、添削と質問対応の手厚さを比較軸に加えて選ぶことをおすすめする。料金は各社で最大7倍近く差があるため、資料請求や無料体験で講義のわかりやすさを確かめてから申し込みたい。合格実績を公表している講座は、受講者数とあわせて数字を読むのがコツだ。通信講座の料金や合格実績は毎年更新されるため、申込前に各社の公式サイトで最新情報を確認しておこう。迷ったら、まず2社程度の無料体験を受けて比べてみるとよい。