教育訓練給付制度で資格取得!対象講座・条件・申請方法を徹底解説

教育訓練給付制度で資格取得を目指す人が教材で学ぶ様子

「通信講座を受けたいけど費用が高くて…」と諦めかけていませんか。教育訓練給付制度を使えば、受講料の20〜70%がハローワークから戻ってきます。雇用保険に1年以上加入していれば、在職中でも申請できます。

この記事では、3種類ある給付金の違い・自分が使えるかの確認方法・対象資格の一覧・申請ステップまでを解説します。

【実際に使った方の声】35歳・会社員(事務職)の田中さん(仮名)は、FP2級の通信講座を受講するために一般教育訓練給付を初めて利用しました。受講料88,000円のうち17,600円(20%)が修了後1か月でハローワークから口座に振り込まれました。「申請書類は5点だけ。窓口で20分ほどで手続きが終わり、思ったより簡単でした」と話します。給付金があったことで受講への踏み切りやすさが変わり、週末2〜3時間の学習を4か月続けて合格できたといいます。

教科書とノートで勉強する女性

3種類の給付金をざっくり理解する

教育訓練給付制度には「一般」「特定一般」「専門実践」の3種類があります。給付率と対象資格が異なるため、自分が受けたい講座がどれに該当するかを先に確認しておくことがポイントです。

種類 給付率 上限額 主な対象
一般教育訓練 受講料の20% 10万円 簿記・TOEIC・宅建など
特定一般教育訓練 受講料の40% 20万円 介護職員初任者・大型免許など
専門実践教育訓練 受講料の50〜70% 年間56〜112万円 看護師・保育士・建築士など

一般教育訓練給付金

利用者が最も多い種類です。簿記検定・TOEIC・宅建・FP・社会保険労務士など幅広い資格が対象で、受講料の20%(上限10万円)が給付されます。雇用保険に1年以上加入していれば利用でき、手続きの難易度も低めです。

特定一般教育訓練給付金

就業に直結する業務独占資格が対象です。介護職員初任者研修・大型自動車免許・税理士など。給付率は40%(上限20万円)と一般の2倍。ただし、受講開始1か月前までにハローワークでキャリアコンサルティングを受けることが必須条件です。

専門実践教育訓練給付金

看護師・保育士・建築士・MBA取得課程など、専門性の高い長期講座が対象です。給付率は最大70%(就職・在職中は追加10%あり)。修了後に就職した場合は追加給付も受けられます。費用が大きい分、給付金額も最も大きくなります。

「自分は使えるの?」受給条件チェック

チェックリストを確認する人物

条件は在職中か離職後かによって異なります。次のリストで自分の状況を確認してください。

在職中の方

  • 雇用保険の一般被保険者(パート・アルバイトでも加入条件を満たしていれば対象)
  • 初回利用: 同一事業主に1年以上継続して雇用保険に加入している
  • 2回目以降: 前回の受講開始日から通算3年以上加入している
  • 育休中も被保険者資格は維持されるため、育休中の申し込みは可能です

離職した方

  • 離職日の翌日から1年以内に受講を開始する(妊娠・育児・介護等による延長申請で最大4年以内まで延長可)
  • 離職前に一般被保険者として所定期間(初回1年以上)加入していた

初回利用 vs 2回目以降の違い

初回は雇用保険加入1年以上(特定一般・専門実践も同様)で利用可能です。2回目以降は、前回の受講開始日から3年以上経過していることが条件になります。「以前使ったことがある」方は、ハローワークで支給要件の照会をしてから申し込むことをお勧めします。

対象資格・講座の一覧

教育訓練給付制度の対象は厚生労働大臣が指定する講座で、2026年時点で約16,000講座が登録されています(出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」)。代表的な資格を種類別に紹介します。

一般教育訓練の主な対象資格

  • ビジネス系: 日商簿記検定・FP技能士・社会保険労務士・宅地建物取引士・行政書士・税理士(一部)
  • 語学系: TOEIC・英検・TOEFL・中国語検定・通訳案内士
  • IT系: ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者・Oracle認定資格
  • 生活・実務系: 食生活アドバイザー・色彩検定・ファイナンシャルプランナー

特定一般教育訓練の主な対象資格

  • 介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修
  • 大型自動車第一種・第二種免許
  • 税理士・弁理士試験対策講座(特定指定のもの)
  • 社会保険労務士(特定指定のもの)

専門実践教育訓練の主な対象資格

  • 医療・福祉系: 看護師・准看護師・保育士・介護福祉士・精神保健福祉士・ケアマネージャー
  • 建設系: 一級建築士・二級建築士
  • 美容・衛生系: 美容師・歯科衛生士
  • 専門職・大学院系: MBA・法科大学院・公共政策大学院

気になる講座が対象かどうかは、厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で確認できます(後述)。

費用シミュレーション:実際いくら戻る?

給付金は「修了後に申請して振り込まれる」仕組みです。先に自己負担で受講料を支払い、修了・申請後に指定口座へ振り込まれます。具体的な金額を確認しておきましょう。

受講料 種類 給付率 給付金額 実質負担
50,000円 一般 20% 10,000円 40,000円
150,000円 一般 20% 30,000円 120,000円
200,000円 特定一般 40% 80,000円 120,000円
300,000円 専門実践 50% 150,000円 150,000円
500,000円 専門実践(在職就職) 70% 350,000円 150,000円

受講料が高い専門実践ほど給付額が大きくなるため、「費用が高くて踏み切れなかった」方ほど活用価値があります。

対象講座の探し方(ハローワーク検索システム)

受けたい講座が対象かどうかを確認する手順は次のとおりです。

  1. 厚生労働省「教育訓練給付制度 検索システム」にアクセスする(「教育訓練給付 検索」で検索すると公式サイトが表示されます)
  2. 「訓練種別」から一般・特定一般・専門実践を選択する
  3. 「キーワード」欄に資格名または講座名を入力して検索する
  4. ヒットした講座の「詳細」から、受講期間・費用・受講形式(通学/通信)・開講地域を確認する
  5. 気に入った講座の「指定番号」を控えておく(申請時に使用します)

特定一般・専門実践を受ける場合は、受講開始の1か月前までにハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」の予約が必要です。忘れると特定一般・専門実践は申請できなくなるため注意してください。

申請の5ステップ

雇用訓練の申請手続きに関する書類
  1. ハローワークで支給要件を確認する:受講開始前に最寄りのハローワークで「教育訓練給付金支給要件照会票」を取得して自分が対象かを確認する。特定一般・専門実践はこのタイミングでキャリアコンサルティングも受ける。
  2. 指定講座に申し込み・受講開始:受講料を自己負担で支払う。途中退校や出席率不足は給付対象外になるため最後まで続けることが前提。
  3. 講座を修了する:修了要件(出席率・試験合格・レポート提出など)は講座によって異なる。修了証明書を必ず受け取る。
  4. 申請書類を揃える:教育訓練修了証明書・領収書・本人確認書類(マイナンバーカード等)・雇用保険被保険者証・振込先口座情報を準備する。
  5. ハローワークへ申請(期限は修了後1か月以内):最寄りのハローワーク窓口へ書類を提出する。審査後、指定口座へ振り込まれる。

注意点・よくある質問

Q. キャリアコンサルティングは有料ですか?

ハローワークが実施する訓練前キャリアコンサルティングは無料です。民間のキャリアコンサルタントに依頼する場合は費用が発生することがあります。

Q. 在職中でも申請できますか?

できます。雇用保険の一般被保険者の状態を維持していれば在職中でも申請可能です。育休中も被保険者資格は維持されているため対象になります。

Q. 修了しないと給付されませんか?

一般・特定一般は「講座の修了」が給付条件です。専門実践は6か月ごとに支給申請ができますが、修了しなかった場合は既に受け取った給付金の返還を求められることがあります。

Q. 申請期限を過ぎたら?

修了日の翌日から1か月以内が申請期限です。この期限を過ぎると給付を受けられません。修了後はすぐに書類準備を始めることをお勧めします。

まとめ

教育訓練給付制度は、雇用保険に加入していれば在職中でも活用できる制度です。受講料の20〜70%が給付されるため、「費用が高くて諦めていた」方にこそ使ってほしい仕組みといえます。

  • 一般教育訓練:簿記・FP・TOEIC・宅建など。受講料の20%(上限10万円)
  • 特定一般教育訓練:介護・大型免許など業務直結資格。受講料の40%(上限20万円)
  • 専門実践教育訓練:看護師・保育士・建築士など。受講料の50〜70%(年間最大112万円)

まず厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で受けたい講座が対象かどうか確認してみてください。対象講座が見つかったら、ハローワークに相談しながら申請を進めていきましょう。