マンション管理士の難易度と合格率を徹底解説

Photo by Kindel Media on Pexels

マンション管理士試験、独学合格者のリアルな第一声

「模試の点数が伸びない。このままで本当に受かるのか」――試験直前の6月、佐藤直樹さん(仮名・35歳)はそんな不安を抱えていた。宅地建物取引士として不動産管理会社に3年間勤務していた佐藤さんは、キャリアアップのためマンション管理士試験に挑戦していた。

※本記事で紹介する佐藤直樹さんの体験は、複数の受験者の声をもとに構成した架空のケースです。

直前の模試で32点しか取れず、合格ラインの35点に届かなかった佐藤さんは、そこから本番までの2ヶ月で学習方法を見直した。結果、本試験では38点を取り合格を果たした。ここでは、こうした受験者の体感も交えながら、マンション管理士試験の合格率・難易度・必要な勉強時間を数値で見ていく。

person studying with law textbooks at desk

マンション管理士試験の合格率は何%か 過去4年の推移

マンション管理士試験の合格率は、直近4年間で9.9%〜12.7%の範囲で推移している。試験を実施する公益財団法人マンション管理センターの発表データをもとに、年度ごとの推移を表にまとめた。

実施年度 受験者数(概数) 合格率
2021年度 約1万4千人 9.9%
2022年度 約1万4千人 11.5%
2023年度 約1万2千人 10.1%
2024年度 約1万2千人 12.7%

最新年度の詳細な実施結果や試験日程は、公益財団法人マンション管理センター公式サイトで確認できる。2026年度(令和8年度)試験は11月29日に実施予定で、詳細は国土交通省の報道発表資料にも掲載されている。

直近4年では合格率が9%台から12%台まで変動しており、年度による難易度の差がうかがえる。合格率が10%を下回った年度は、区分所有法の改正点など出題傾向が変わったタイミングと重なる傾向がある。

宅建士・管理業務主任者と比較した難易度

マンション管理士は、同じ不動産系資格である宅地建物取引士(宅建士)や管理業務主任者と比較しても合格率が低い。

資格 合格率の目安
管理業務主任者 21〜23%
宅地建物取引士 15〜17%
マンション管理士 9〜13%

管理業務主任者と比較すると、マンション管理士の合格率はおよそ半分程度にとどまる。佐藤さんも管理業務主任者を先に取得していたが、「試験範囲が重なる部分は多いのに、同資格のほうが記述の深さを問われる問題が多かった」と振り返っている。

宅建士は権利関係の出題が選択肢の絞り込みで対応しやすいのに対し、同資格は同じ範囲でもより踏み込んだ理解が求められるため、体感的な難易度差は数値以上に大きい。宅建士側の詳しい合格率データや勉強時間の目安は以下の記事で解説している。

Photo by www.kaboompics.com on Pexelsあわせて読みたい宅建の難易度と独学合格率|必要な勉強時間を解説宅建士の難易度・合格率を独学体験から徹底比較

合格ラインと出題傾向 なぜ難しいと言われるのか

合格に必要な得点(35〜38点/50点)

本試験は50問・四肢択一のマークシート方式で、合格基準点は年度により35点から38点の間で変動する。得点率にすると70〜76%程度で、7割を切ると不合格になる年度が多い。

出題の3本柱(民法・区分所有法・適正化法)

出題は大きく分けて、民法の権利関係、区分所有法、マンション管理適正化法の3分野に集中する。中でも民法の権利関係は、抵当権や相続が絡む複雑な設問が多く、苦手とする受験者が多い分野だ。マンション管理適正化法の詳しい制度趣旨は国土交通省の解説ページで確認できる。佐藤さんも「宅建で見た内容と似ているのに、聞かれ方が変わるだけで正答率が落ちた」と話しており、暗記だけでは対応しきれない設問設計になっている。

highlighted law textbook, notes

独学合格に必要な勉強時間の目安

一般的に本資格の合格に必要な勉強時間は、初学者で400〜500時間が目安だ。佐藤さんの場合、平日1時間・休日3時間のペースで8ヶ月間学習し、総学習時間は約350時間だった。宅建士の知識が土台にあったため、標準よりやや短い時間で合格ラインに到達した計算になる。

学習期間 平日 休日 総学習時間(概算)
8ヶ月 1時間/日 3時間/日 約350時間

使用した教材は市販のテキストと過去問題集10年分のみで、模試は本番2ヶ月前に1回受験した。この模試で32点だった得点は、直前2ヶ月で条文の読み込みと過去問の繰り返しを増やしたことで38点まで伸びている。こうした学習時間の差は、そのまま合格率の個人差にも直結する。教材を絞り込み、同じ過去問を周回する学習法は、限られた時間で得点を底上げしたい社会人受験者にとって特に有効だ。

独学と通信講座、どちらを選ぶべきか

独学で合格した佐藤さんも、「宅建の学習経験がなければ、通信講座を使っていたと思う」と話している。区分所有法や適正化法は初学者には条文の読み方自体が難しく、体系立てて教材が組まれている通信講座のほうが遠回りしにくい。一方、法律系資格の学習経験がある場合は、過去問中心の独学でも合格ラインに届く可能性がある。

独学か通信講座かの判断基準は、法律系資格の学習経験の有無に加えて、日々の学習時間を自分で管理できるかどうかも大きい。仕事や家庭の予定で学習ペースが乱れやすい人は、進捗管理までカバーする通信講座のほうが挫折しにくい。独学で目指す場合の具体的な勉強法とスケジュールは次の記事が詳しい。

Photo by Pixabay on Pexelsあわせて読みたいマンション管理士は独学で合格できる?勉強法を徹底解説独学で目指す場合の具体的な勉強法とスケジュール

通信講座を検討する場合は、大手のフォーサイトなど合格実績のある講座の評判を確認しておくと選びやすい。

オンライン講座の評判をパソコンで比較する様子あわせて読みたいフォーサイトの評判・口コミと合格実績を徹底検証通信講座フォーサイトの評判・合格実績を実際の口コミから検証
person comparing study materials on desk

よくある質問

Q. 管理業務主任者とのダブル受験は可能か

試験日程が近く、出題範囲も一部重なるため、同一年度でのダブル受験に挑む受験者は多い。ただし出題の深さが異なるため、どちらか一方に学習の軸足を置き、もう一方を過去問演習で補う進め方が現実的だ。

Q. 独学と通信講座、どちらがいいか

法律系資格の学習経験の有無で判断するとよい。初学者は体系的な講義がある通信講座、宅建士など類似資格の経験者は過去問中心の独学でも対応できるケースが多い。

Q. 合格までの勉強時間の目安は

初学者で400〜500時間、宅建士などの経験者で300〜400時間が目安になる。佐藤さんのケースでは約350時間で合格ラインに到達した。

Q. 独学の場合、何から始めればよいか

区分所有法とマンション管理適正化法の条文を一読したうえで、過去問を年度別に解き進める順序が効率的だ。民法の権利関係は最後にまとめて演習すると、他分野との混同が減る。

まとめ

本試験の合格率は9〜13%台で、宅建士や管理業務主任者より難易度が高い資格だ。合格ラインは50点中35〜38点、出題は民法・区分所有法・適正化法の3分野に集中する。佐藤さんの事例のように、法律系資格の学習経験があれば300時間台の学習でも合格ラインに届く。自分の学習経験と照らし合わせて、独学か通信講座かを選ぶことが合格への近道になる。合格率と難易度は年度によって変動するため、最新の実施結果は都度確認したい。独学であっても通信講座であっても、佐藤さんのように過去問演習を軸にした学習を重ねることで、合格ラインに届く可能性は十分にある。焦らず自分のペースで対策を進めていこう。独学か通信講座かで迷う場合は、本記事内で紹介した勉強法・講座比較の記事も参考にしてほしい。

この記事についてお問い合わせ →