「宅建を独学で取りたいけれど、いつから何をやればいいのか分からない」。そんな不安から手が止まっている方は少なくありません。宅建の独学では、テキスト選びや勉強法より先にスケジュールを決めた人ほど最後まで走り切れます。10月の本試験から逆算した月別の計画があれば、今日やるべき勉強が自然に決まるからです。
この記事では、1月・4月・7月の開始月別に宅建の独学スケジュールを月間計画表にまとめました。1月から独学を始め、1点差で合格した田中さん(32歳・メーカー営業事務)の実例も交えて、科目別の勉強法と遅れたときの立て直し方まで紹介します。
※ここで紹介する田中さんの体験は、複数の宅建合格者の声をもとに構成した架空のケースです。
宅建の独学スケジュールは10月の本試験から逆算する

宅建の独学スケジュールを組むときの起点は、毎年10月第3日曜日に実施される宅建試験の本試験です。試験日から逆算して「いつまでにインプットを終えるか」「過去問に何ヶ月使うか」を先に決めると、1日あたりの勉強量が数字で見えてきます。
2026年度の試験日程と申込期間
一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)の試験スケジュールによると、2026年度(令和8年度)の本試験は10月18日(日)に実施されます。試験時間は13時から15時までの2時間です。申込期間はインターネットが7月1日〜7月31日、郵送が7月1日〜7月15日で、受験手数料は8,200円となっています。
独学だと申込を忘れがちなので、スケジュール表の7月欄には「受験申込」を必ず書き込んでおきましょう。合格発表は11月25日(水)の予定です。翌年度の日程も例年ほぼ同じ時期に公表されるため、7月上旬の申込と10月中旬の本試験を前提に独学の計画を立てておけば大きくずれません。
独学に必要な勉強時間は300〜400時間が目安
宅建を独学で合格するための勉強時間は、法律の学習経験がない人で300〜400時間が一般的な目安です。平日1.5時間・休日4時間なら週15.5時間になり、約5〜6ヶ月で到達します。平日2時間・休日5時間まで増やせば、4ヶ月強でも届く計算です。
宅建試験のハードルも確認しておきましょう。RETIOの試験実施概況では、令和7年度の宅建の合格率は18.7%、合格点は50問中33点でした。令和6年度は合格率18.6%・合格点37点で、年度によって合格点が4点も動きます。独学のスケジュールは「38点を取れる実力」を10月に仕上げる前提で組むのが安全です。難易度をもっと詳しく知りたい方は宅建の難易度と独学合格率も参考にしてください。
あわせて読みたい宅建の難易度と独学合格率|必要な勉強時間を解説宅建の独学に必要な勉強時間と合格率の実態を、難易度の観点から詳しく解説しています
開始月別に見る宅建の独学スケジュール(月間計画表)
同じ宅建の独学でも、1月に始めるか7月に始めるかで1日の勉強量と各月の中身は大きく変わります。下の表は、開始月別に10月の本試験までの月間スケジュールを並べたものです。自分の開始月の列を縦に読めば、毎月のゴールがそのまま分かります。
| 月 | 1月開始(10ヶ月) | 4月開始(7ヶ月) | 7月開始(3ヶ月半) |
|---|---|---|---|
| 1月 | 宅建業法インプット | - | - |
| 2月 | 宅建業法の過去問1周 | - | - |
| 3月 | 権利関係インプット | - | - |
| 4月 | 権利関係インプット・過去問 | 宅建業法インプット+過去問 | - |
| 5月 | 法令上の制限インプット | 権利関係インプット | - |
| 6月 | 税・その他インプット | 法令上の制限・税その他 | - |
| 7月 | 全科目の過去問2周目・受験申込 | 全科目の過去問1周・受験申込 | 受験申込・宅建業法+法令上の制限 |
| 8月 | 過去問3周目・苦手論点つぶし | 過去問2周目 | 権利関係は頻出論点のみ・税その他 |
| 9月 | 予想模試・時間配分の練習 | 過去問3周目・予想模試 | 全科目の過去問を高速で2周 |
| 10月 | 総復習・統計の暗記 | 総復習・統計の暗記 | 予想模試・宅建業法の総仕上げ |
1月開始:平日1時間でも間に合う10ヶ月プラン
1月開始の宅建の独学スケジュールは、1日の負担が最も軽いのが特長です。平日1〜1.5時間と休日3時間程度で、総勉強時間はおよそ400時間に届きます。前半6ヶ月をインプット、後半4ヶ月を過去問と模試に充てられるため、法律の初学者や仕事が忙しい社会人に向いたプランです。
注意点は、中だるみしやすい5〜6月の過ごし方です。この時期は範囲の広い権利関係と法令上の制限が重なり、手応えを感じにくくなります。月末に「宅建業法の過去問を1年分だけ解く」など、得点で成長を確かめる日を入れておくと独学のモチベーションが続きます。
4月開始:働きながら狙う標準の7ヶ月プラン
4月開始は、宅建の独学で最も選ばれている標準的なスケジュールです。平日1.5〜2時間・休日4時間を確保すると、10月までに350時間前後を積み上げられます。インプットは6月末までに全科目を1周させ、7月からは過去問中心の勉強法に切り替えます。
このプランの成否を分けるのは、6月末の「インプット完了」を守れるかどうかです。ここが7月にずれ込むと、過去問の周回が2周に減り宅建の本試験の得点が安定しません。細かい論点で止まったら付箋を貼って先に進み、過去問を解く段階で理解を深める進め方がおすすめです。
7月開始:短期集中の3ヶ月半プラン
7月開始の宅建の独学は、平日3時間・休日6〜8時間が必要になる短期決戦です。全範囲を均等に学ぶ時間はないため、配点の大きい宅建業法(20問)と暗記で得点しやすい法令上の制限(8問)を優先します。権利関係は抵当権・借地借家法・相続など頻出論点に絞り、深追いを避ける勉強法に徹してください。
インプットと過去問を並行して進めることが前提になります。テキストを1章読んだら、その日のうちに同じ範囲の過去問を解く流れを毎日繰り返しましょう。9月以降は新しい教材に手を出さず、解いた過去問の復習だけで仕上げるのが短期合格の鉄則です。
科目別の独学勉強法と取り組む順番

宅建試験は全50問で、4分野から出題されます。独学で効率よく点を積み上げるには、配点と得点しやすさで学ぶ順番を決めることが欠かせません。おすすめの順番は、宅建業法→権利関係→法令上の制限→税・その他です。
- 宅建業法:20問(目標18点)
- 権利関係(民法等):14問(目標8〜9点)
- 法令上の制限:8問(目標6点)
- 税・その他:8問(目標6点、登録講習修了者は5問免除)
宅建業法の勉強法:満点近くを狙う最優先科目
宅建業法は全体の4割を占め、出題パターンも過去問とよく似ています。独学でも18点以上を狙える科目なので、最初に取りかかり過去問を最も多く回しましょう。条文を確認したいときは、e-Govの宅地建物取引業法で原文を読むと、テキストの要約だけでは曖昧な部分がはっきりします。
権利関係の勉強法:頻出論点に絞って深追いしない
民法を中心とする権利関係は範囲が広く、宅建の独学者が最も時間を溶かしやすい分野です。判例問題まで完璧を目指すと、他科目の勉強時間が足りなくなります。意思表示・代理・抵当権・借地借家法・区分所有法など毎年出る論点を優先し、14問中8〜9点を取れれば合格ラインに届きます。
法令上の制限の勉強法:数字の暗記で得点源にする
都市計画法や建築基準法、農地法などの法令上の制限は、面積や期間の数字を覚えれば点になる科目です。宅建の独学では「開発許可が不要になる面積」のように、数字を一覧表にまとめて毎日5分眺める勉強法が効果的です。8問中6点を目標にし、直前期の暗記で一気に仕上げましょう。
税・その他の勉強法:直前期にまとめて仕上げる
税・その他は不動産取得税や固定資産税、地価公示、統計などから出題されます。特に統計問題は試験直前に発表される最新データから出るため、独学者は10月に入ってから覚える勉強法が効率的です。宅建業者の従業者などが受けられる登録講習を修了すると、この分野の5問が免除されます。
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宅建の独学で成果が出る勉強法の基本
どの開始月を選んでも、宅建の独学で結果を出す勉強法には共通点があります。スケジュールどおりに時間を確保しても、勉強法がずれていると得点は伸びません。ここでは独学の合格者に多い3つの勉強法を紹介します。
勉強法1:テキストを読み込む前に過去問を見る
テキストを1章読む前に、同じ範囲の過去問を3問だけ眺めておく勉強法です。どこが問われるのかを先に知ると、テキストを読むときに重要な箇所が自然に目に留まります。独学では講師が要点を教えてくれないため、過去問が出題範囲の地図になります。最初は解けなくて構わないので、1問に3分以上かけずに解説を読み進めましょう。
勉強法2:インプットとアウトプットを3対7にする
宅建の独学で伸び悩む人の多くは、テキストを読む時間が長すぎます。合格者の勉強法を見ると、学習時間の7割を宅建の過去問や一問一答などのアウトプットに使っているケースが目立ちます。読むだけの勉強法は理解した気になりやすく、本試験のひっかけ選択肢で失点しがちです。
勉強法3:間違えた問題を1日後・1週間後に解き直す
一度間違えた問題は、翌日と1週間後にもう一度解く勉強法が記憶の定着に効果的です。間違いノートに問題番号と日付だけを書いておき、休日の復習時間でまとめて解き直します。独学でもこの勉強法を続けると、9月の模試で同じ論点を落とす回数が目に見えて減っていきます。
平日と休日の1週間スケジュール例
月間のスケジュールが決まっても、1週間の過ごし方が曖昧だと宅建の独学は続きません。ここでは4月開始プランを想定し、会社員が平日1.5時間・休日4時間を確保する時間割の例を紹介します。
- 平日の朝(30分):前日に解いた過去問の復習と暗記カード
- 平日の通勤中(30分):一問一答アプリで宅建業法の周回
- 平日の夜(30分):テキストを1節読み、同じ範囲の過去問を5問
- 土曜(4時間):その週の範囲の過去問をまとめて解き、間違いノートを作成
- 日曜(4時間):2時間の模擬演習と、1週間分の総復習
この勉強法では、平日を「インプットと少量の演習」、休日を「まとまった演習と復習」に分けています。平日に1日休んでも、週末の4時間で取り戻せる余白が生まれます。宅建の独学ではこの余白こそが、スケジュールを最後まで崩さないための保険になります。
田中さんの独学スケジュール実例

ここからは、1月から独学を始めた田中さんのケースを紹介します。田中さんは法律の学習経験ゼロのメーカー営業事務で、不動産業界への転職を目指して宅建に挑戦しました。使った教材は、市販のテキスト1冊と分野別の過去問題集、直前期の予想模試3回分だけです。勉強法も、テキスト1章と過去問をセットで進めるシンプルなものでした。
1〜4月は計画どおり進みましたが、5月に権利関係の代理と抵当権で手が止まり、2週間ほど独学から離れてしまいました。立て直しのきっかけは、権利関係の目標を14問中8点に下げ、残りの時間を宅建業法の過去問に回したことです。7月の受験申込を済ませたころには、ペースも元に戻っていました。
9月の1回目の予想模試は29点で、合格点に遠く届かず焦ったそうです。そこから間違えた問題だけを3周する勉強法に絞り、宅建の本試験では38点を獲得しました。合格点37点に対して1点差の合格です。独学の総勉強時間は約390時間で、翌春には不動産管理会社へ転職し、月2万円の資格手当を受け取っています。
スケジュールが遅れたときの立て直し方
宅建の独学ではスケジュールが遅れるのが当たり前です。遅れに気づいたら、その時点ですぐに計画を組み直しましょう。何となく先送りを続けると、10月直前に過去問が1周しか終わっていない状態に陥ります。
2週間以上遅れたら「捨てる範囲」を決める
遅れが1週間以内なら、休日の勉強時間を1〜2時間増やせば取り戻せます。2週間を超えたら、権利関係の出題頻度が低い論点や、税・その他の細かい税目を思い切って捨てましょう。宅建は満点を取る試験ではなく、合格点を1点でも超えれば合格です。捨てた時間を宅建業法と法令上の制限に回す勉強法のほうが、得点の期待値は高くなります。
法改正は4月1日時点の法令が出題基準
宅建試験は、その年の4月1日時点で施行されている法令をもとに出題されます。独学では法改正の情報を自分で追う必要があるため、前年版のテキストを使っていないか確認してください。最新年度版のテキストが出版される11〜12月以降に購入すれば、改正点を調べる手間が省けます。テキスト選びに迷う方は宅建の独学テキストおすすめで比較しています。
宅建の独学スケジュールに関するよくある質問
働きながら3ヶ月の独学で宅建に合格できますか?
不可能ではありませんが、平日3時間・休日6時間以上の勉強時間を3ヶ月続ける必要があります。残業が多い職場や子育て中の方には現実的とはいえません。確実に合格したいなら、4月までに独学をスタートし、7ヶ月の標準スケジュールで進めるのがおすすめです。
過去問は何年分・何周やればいいですか?
宅建の独学なら過去10年分を3周以上が目安です。1周目は解説を読みながら理解し、2周目以降は間違えた問題だけを重点的に解き直します。正解の理由を説明できるようになれば、その問題は卒業して構いません。
通勤時間だけの独学でも宅建に合格できますか?
通勤時間だけでは1日1時間程度にとどまり、300時間に届くまで10ヶ月近くかかります。一問一答アプリを使った通勤中の勉強法は暗記には向いていますが、長文の権利関係を解く練習には不向きです。週末に2〜3時間の演習を足せば、通勤中心の勉強法でも十分に合格を狙えます。
独学のスケジュールが続かないときはどうすればいいですか?
1ヶ月以上遅れが続く場合は、学習スケジュールがあらかじめ組まれた通信講座に切り替えるのも一つの手です。講義動画と質問サポートがあれば、権利関係のようなつまずきやすい科目も短時間で理解できます。独学と費用を比べたい方は宅建の通信講座おすすめを確認してください。
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宅建の独学は、10月の本試験から逆算した月間スケジュールを最初に作ることが合格への近道です。1月開始なら平日1時間から、4月開始なら平日1.5〜2時間、7月開始なら平日3時間が目安になります。どのプランでも宅建業法を最優先に学び、過去問を3周以上回す勉強法は共通です。
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