会社から宅建士の取得を求められ、独学で挑んだものの点数が届かなかった。次こそ確実に受かりたいけれど、宅建の通信講座は数十社あり、料金も1万円台から20万円超まで幅があります。「高い通信講座ほど受かるのか」「スマホだけで足りるのか」と迷ったまま、申込を先延ばしにしている人も多いはずです。
この記事では、主要5社の宅建通信講座を料金・合格実績・サポートで比較し、あなたの状況に合うおすすめ講座を絞り込めるように整理しました。各社の合格率は算出条件がバラバラで、そのまま並べると判断を誤ります。数字の読み方と、独学で一度落ちた人の通信講座の選び直し方もあわせて紹介します。
独学で31点だった佐藤さんが宅建の通信講座に切り替えた理由
不動産賃貸管理会社で働く佐藤さん(仮名・34歳)は、法律の勉強をしたことがないまま宅建試験に挑みました。1回目は市販テキストで独学し、結果は31点で不合格です。失点の多くは権利関係で、民法の条文を読んでも事例に当てはめられなかったと振り返ります。
※ここで紹介する佐藤さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。
もう一つの敗因は学習時間の確保でした。仕事が繁忙期に入った6月以降、机に向かう日が週2日まで落ち込み、宅建の過去問を1周しきれないまま本番を迎えています。「わからない箇所で止まり、そのまま机から離れる」という悪循環を断ち切るため、2年目は通信講座を使うと決めました。
2回目はスタディングで基礎のインプットを進め、通勤中にスマホで講義動画を視聴しました。直前期の3か月はフォーサイトの過去問講座を追加し、紙の問題集で演習量を確保しています。学習期間は約6か月、合計およそ350時間です。結果は38点で宅建に合格し、今は月2万円の資格手当を受け取りながら重要事項説明も任されています。
おすすめの宅建通信講座5社を比較【2026年9月時点】
比較対象は、合格実績を公表している大手と、スマホ学習に強い新興の宅建講座を中心に選びました。受講料はいずれも初学者向けの主要コースの税込価格です。キャンペーンや年度切り替えで頻繁に変わるため、申込前に必ず各社の公式ページで最新値を確認してください。
| 通信講座 | 受講料(税込目安) | 合格実績(2025年度) | 教材 | 質問対応 |
|---|---|---|---|---|
| スタディング | 14,960〜29,800円 | 合格者1,230名 | スマホ動画中心・冊子は選択制 | 上位コースにQ&Aチケット10枚 |
| フォーサイト | 19,800〜78,800円前後 | 合格率75.0%(条件あり) | フルカラー冊子+動画 | バリューセットは回数無制限 |
| アガルート | 54,780〜107,800円 | 合格率77.01%(条件あり) | 紙テキスト+短尺動画 | コースにより異なる |
| ユーキャン | 64,000円 | 10年間で合格者12,900名 | 冊子テキスト+Web動画 | メール・郵送で質問可 |
| TAC | 88,000円〜 | 公式サイトで公表 | Web・DVD・教室から選択 | 質問メール回数制限なし |
表を見ると、宅建通信講座の受講料は最安と最高で5倍以上の差があります。ただし教材の形式と質問対応の手厚さが価格差の大部分を占めており、講義の中身そのものの差ではありません。自分に必要なサポートだけを選べば、宅建の学習費用は大きく抑えられます。
スタディング|通勤時間を学習に変えたい人におすすめ
スタディング宅建士講座は、短い講義動画とスマホで解ける問題演習がセットになった通信講座です。最安のミニマムコースは14,960円で、比較した5社の中で最も安く始められます。紙のテキストが欲しい場合は冊子付版を選ぶと、上位コースでも3万円以内に収まります。費用を抑えたい宅建初学者に最もおすすめしやすい講座です。
フォーサイト|紙教材で過去問を回したい人におすすめ
フォーサイト宅建士講座は、フルカラーの冊子テキストと講義動画の両方で学べる通信講座です。バリューセットは質問回数が無制限で、教育訓練給付制度の対象コースも用意されています。上位のバリューセット3には全額返金保証が付きますが、条件はかなり厳しいため後述の注意点を確認してください。紙で繰り返し問題を解きたい人におすすめです。
アガルート|合格率と手厚さを重視する人におすすめ
アガルートは、オリジナルの紙テキストと短い講義動画を組み合わせた宅建講座です。2025年度の受講生合格率は77.01%と公表されています。入門総合カリキュラムはライト版が54,780円、フル版が107,800円です。価格は高めですが、講師への相談機会や合格特典を重視する人にはおすすめできます。
ユーキャン|法律初学者がゆっくり進めたい人におすすめ
ユーキャン宅建士講座は、一括64,000円で教材と添削がすべて含まれる通信講座です。受講生の約7割が初学者とされ、専門用語をかみ砕いたテキストに定評があります。教育訓練給付制度の指定講座のため、条件を満たせば受講料の20%が戻ります。標準学習期間は3〜5か月です。
TAC|通学も視野に入れたい人におすすめ
TACは大手資格予備校で、Web講義・DVD・教室講義から受講スタイルを選べます。受講料は8万円台からと高めですが、質問メールの回数制限がなく、宅建の全国公開模試も受験できます。平日の夜や週末に校舎へ通える人なら、通信と通学の併用で学習ペースを保ちやすく、通学との両立を考える人におすすめです。
あわせて読みたいフォーサイトの評判・口コミと合格実績を徹底検証フォーサイトの合格率の算出条件や受講生の口コミを詳しく検証しています
宅建通信講座の合格率をそのまま比べてはいけない理由
宅建試験全体の合格率は、令和7年度で18.7%でした(受験者245,462人、合格者45,821人。不動産適正取引推進機構公表)。これに対し宅建の通信講座には75%を超える合格率を掲げるところもあり、4倍近い差に驚く人も多いでしょう。
ただし通信講座の合格率は、受講生全員を分母にしているわけではありません。フォーサイトの75.0%は「確認テストと学力テストの条件を満たし、受験番号を提出した受講生」のうちの合格者で算出されています。つまり最後まで学習をやり切った人に絞った数字です。途中で離脱した受講生は分母に入りません。
見るべきは「算出条件」と「合格者数」
比較するときは、合格率の注記に書かれた分母の条件を必ず読みましょう。スタディングやユーキャンのように合格率を出さず、合格者数だけを公表する宅建講座もあります。合格者数が多い講座は受講生の母数も多く、教材の改善サイクルが回っていると判断できます。
合格率の高さより、自分が「条件を満たす側」に残れるかを考える方が現実的です。佐藤さんも1年目の敗因は教材ではなく、学習が途切れたことでした。続けやすさを最優先に選べば、宅建の合格ラインである33点前後は現実的な目標になります。
失敗しない宅建通信講座の選び方

教材形式は通勤スタイルで決めるのがおすすめ
電車通勤で座れない人は、スマホで完結する通信講座がおすすめです。車通勤なら音声学習ができる講座、自宅で机に向かえる人は紙テキストが充実した講座を選ぶと、学習時間を無理なく積み上げられます。宅建は300〜400時間が合格の目安とされ、半年で割ると1日2時間前後が必要です。
質問サポートは初学者ほど重視する
権利関係の事例問題は、テキストを読むだけでは理解しきれない場面が必ず出てきます。独学で止まった箇所をそのままにしない仕組みとして、質問回数と回答までの日数を確認しておきましょう。回数制限つきの宅建通信講座でも、質問チケットを追加購入できるケースがあります。
返金保証・お祝い金は条件まで読む
全額返金保証は魅力的に見えますが、対象コースが最上位のみだったり、全確認テストで80点以上といった条件が付いたりします。合格お祝い金も、合格体験談の提出やアンケート回答が前提になっているのが一般的です。特典の金額より、本体の受講料が予算に合うかで判断する方が失敗しません。
教育訓練給付制度の対象かを確認する
雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、一般教育訓練給付金として受講料の20%(上限10万円)が戻ります。対象になるのは厚生労働大臣が指定した講座だけで、同じ会社の宅建講座でもコースによって対象外の場合があります。厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で講座名を検索すると、指定の有無を確かめられます。
申込時期で変わる宅建通信講座のおすすめ
2026年度の宅建試験は10月18日(日)に行われ、合格発表は11月25日です。申込受付はすでに7月末で締め切られているため、これから通信講座を検討する人の多くは2027年度の宅建試験が目標になります。学習を始める時期によって、おすすめの講座は変わります。
11月〜1月に始める人
本試験まで9〜11か月あるため、1日1時間強のペースでも300時間を確保できます。基礎講義が充実したアガルートやユーキャンで、法律の考え方からじっくり身につける進め方がおすすめです。年度切り替えの時期は新旧講座の価格やキャンペーンが動きやすいため、年内に資料請求して比較しておくと安心です。
2月〜4月に始める人
半年前後で合格ラインを目指す、宅建の受講者が最も多い時期です。1日2時間を確保できるなら、多くの通信講座で標準的なカリキュラムをこなせます。仕事が忙しい人は、スキマ時間に講義を消化できるスタディングを軸にするのがおすすめで、学習の途切れを防げます。
5月以降に始める人
残り5か月を切ると、全範囲を均等に学ぶ余裕はありません。宅建業法と法令上の制限で確実に得点し、権利関係は頻出論点に絞る戦略が必要です。過去問演習の比重が高いフォーサイトや、短期合格用に構成されたコースを選ぶと効率よく仕上げられます。
独学で一度落ちた人は「つまずいた科目」で講座を選ぶ

再受験の場合、ゼロから講座を選び直すより、前回の失点科目を見て足りない部分を補う方が費用も時間も抑えられます。自己採点の結果を科目ごとに書き出し、合格点との差がどこで生まれたかを確認してください。
- 権利関係で大きく失点した:講義動画で事例の考え方を学べる通信講座(スタディング・アガルート)がおすすめ
- 宅建業法で取りこぼした:過去問演習が豊富な通信講座(フォーサイト)がおすすめ
- 全科目がまんべんなく低い:学習の習慣化そのものが課題。添削や進捗管理のある講座(ユーキャン)がおすすめ
佐藤さんは安価なスマホ講座で基礎を固め、直前期だけ過去問講座を追加する併用型を選びました。総額は大手の総合コース1本分より抑えられ、苦手科目に絞って演習量を増やせています。フォーサイトなど一部の宅建講座は再受験者向けのセットも用意しているため、前回の教材が手元にある人は比較してみましょう。
不動産会社で働いているなら「5問免除」も検討する
宅建業に従事している人は、登録講習を修了すると本試験の5問が免除されます。免除されるのは土地・建物の知識や統計などの分野で、受講には勤務先が発行する従業者証明書が必要です。登録講習は通信学習とスクーリングで構成され、受講料は1万〜2万円前後が相場です。修了試験は講習の内容から出題されるため、講義を受けていれば難しくありません。免除後は残りの45問で合格点を目指すことになり、民法や宅建業法に学習時間を集中できます。
宅建通信講座を選ぶときは、登録講習を同じ会社で申し込めるか、免除対象の分野を省いたカリキュラムになっているかも確認しておくのがおすすめです。会社によっては資格取得支援として受講料を補助している場合もあります。人事や上司に一度相談してみると、自己負担を減らせるかもしれません。
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宅建通信講座のよくある質問
スマホだけの通信講座で宅建に合格できますか?
合格は十分に可能です。講義と一問一答をスマホで完結させ、直前期の模試だけ紙で解く受講生も少なくありません。ただし宅建の本試験はマークシート方式なので、最後の1〜2か月は紙の過去問で時間配分を練習しておくと安心です。
高い宅建講座ほど合格しやすいのですか?
受講料の差は、主に教材の形式やサポートの量によるものです。質問をあまりしない人や紙のテキストが不要な人なら、安い通信講座でも十分に合格を狙えます。自分が使わない特典にお金を払う必要はなく、続けやすさで選ぶのがおすすめです。
宅建は通信講座と独学のどちらがおすすめですか?
法律の学習経験がある人や、毎日の学習習慣が既にある人なら独学でも合格できます。初学者や一度独学で落ちた人は、講義で理解の土台を作れる通信講座の方が合格までの時間を短縮しやすいでしょう。市販テキストの費用は5,000円前後なので、講座との差額は再受験のコストと比べて判断してください。
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宅建の通信講座は、料金より「自分が最後まで続けられるか」で選ぶのが合格への近道です。スマホ中心で安く始めたいならスタディング、紙教材で過去問を回したいならフォーサイト、手厚いサポートを求めるならアガルートやユーキャンがおすすめです。合格率は算出条件を確認し、給付金の対象かどうかも申込前にチェックしましょう。独学で一度不合格だった人は講義で基礎を固められる講座を、法律の学習経験がある人は過去問演習が充実した安い講座を選ぶと、宅建の通信講座選びで失敗しにくくなります。
2027年度の宅建試験を目指すなら、年内に2〜3社の無料体験や資料請求を済ませておくと、学習開始をスムーズに迎えられます。独学での再挑戦を考えている人は宅建の独学におすすめのテキストを、難易度や合格点の推移は宅建の難易度と合格率もあわせて参考にしてください。