TOEICとは?種類・点数の目安・英検との違いを解説

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会社から「昇格にはTOEIC600点以上が必要」と言われたものの、学生時代以来ほとんど英語に触れていない。そんな状況で、それが何の試験なのか、どれを受ければいいのか分からず焦っている人は多いはずです。この記事では試験の中身から点数の目安、申込の流れ、今のレベルに合った勉強の進め方までを1本にまとめました。

メーカーで営業職として働く佐藤さん(32歳)も、同じ悩みから出発した一人です。初めて受けた試験は450点でしたが、1日平均1時間の学習を約6ヶ月続けて730点に到達しました。使ったのは公式問題集と単語帳『金のフレーズ』、通勤中のスマホアプリの3つだけです。スコアアップ後は昇格要件をクリアし、社内の海外営業部へ異動しています。

※ここで紹介する佐藤さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。

TOEICとは?世界約160か国で実施される英語テスト

TOEIC(トーイック)は、英語を使ったコミュニケーション能力を測る世界共通のテストです。開発したのは米国の非営利テスト機関ETSで、日本では一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施・運営を担っています。1979年に日本で第1回が行われ、現在は世界約160か国で活用されています。

最大の特徴は、合格・不合格ではなくスコアで英語力を示す点にあります。問題は日常生活やオフィスでのやり取りを題材にしており、会議の案内やメール、広告といった実務に近い英文が並びます。そのため企業の採用や昇進・昇格の基準に使われやすく、社会人が「英語力の証明」として真っ先に検討する試験になっています。

「TOEIC」と一口に言っても、実際にはいくつかのテストに分かれています。一般に「TOEICの点数」として履歴書に書かれるのは、リスニングとリーディングを測るListening & Reading Test(L&R)のスコアです。ここを押さえておくと、次に紹介する種類の違いも整理しやすくなります。

TOEICの種類は5つ|最初に受けるならL&R

office worker studying english

TOEIC Programには、測定する技能やレベルが異なる5つのテストがあります。2006年にはアウトプット力を測るS&Wが加わり、「聞く・読む」だけでなく「話す・書く」も証明できるようになりました。それぞれの違いを表にまとめます。

テスト名 測る技能 試験時間 スコア範囲 向いている人
L&R 聞く・読む 約2時間 10〜990点 就職・昇格で英語力を示したい人
S&W 話す・書く 約80分 各0〜200点 発信力をアピールしたい人
Speaking 話す 約20分 0〜200点 会話力だけを確認したい人
Bridge L&R 聞く・読む 約1時間 初中級者向けの独自スケール 英語学習を始めたばかりの人
Bridge S&W 話す・書く 約1時間 初中級者向けの独自スケール 基礎の発信力を測りたい人

企業や学校が英語力の指標として参照するのは、ほとんどの場合L&Rです。求人票に「TOEIC 600点以上」とあれば、まずL&Rのスコアを指していると考えて差し支えありません。S&Wは外資系や海外部門など、実際に英語で話す・書く場面が多い職場で評価されやすいテストです。最初の1回はL&Rを受け、自分の現在地を知るところから始めましょう。

公開テストとIPテスト(団体特別受験制度)の違い

L&Rには、個人で申し込む「公開テスト」と、企業や学校が実施する「IPテスト(団体特別受験制度)」の2つの受け方があります。問題形式やスコアの尺度は同じで、IPテストの結果も英語力の目安として社内で活用されています。ただしIPテストでは公開テストと同じ公式認定証は発行されず、団体向けのスコアレポートが渡されます。

転職活動で提出を求められるのは、公式認定証のある公開テストのスコアであるケースが一般的です。社内の昇格要件を満たすだけならIPテストで足りることもあります。人事部に「どちらのスコアが有効か」を事前に確認しておくと、無駄な受験を避けられます。

TOEIC L&Rの試験形式とスコアの仕組み

L&Rはリスニング約45分・100問と、リーディング75分・100問の計200問で構成されます。試験時間は約2時間で、途中休憩はありません。解答はすべてマークシート方式で、問題用紙から指示文まで英語のみで書かれています。パートごとの内容は次のとおりです。

Part1〜7の出題内容

セクション パート 内容 問題数
リスニング Part1 写真描写問題 6問
リスニング Part2 応答問題 25問
リスニング Part3 会話問題 39問
リスニング Part4 説明文問題 30問
リーディング Part5 短文穴埋め問題 30問
リーディング Part6 長文穴埋め問題 16問
リーディング Part7 1つの文書・複数の文書の読解 54問

リーディングの75分で100問を解き切るには、1問あたり45秒ほどのペースが必要です。特にPart7は長文が続くため、Part5・6で時間を使いすぎると最後まで届きません。初受験で「最後の十数問を塗りつぶして終わった」という声が多いのは、このペース配分の難しさが原因です。

スコアは10〜990点で合否はない

スコアはリスニング・リーディングがそれぞれ5〜495点、合計10〜990点の範囲で5点刻みに表示されます。英検のような合否判定はなく、単純な正答数ではなく統計処理で換算されるのも特徴です。そのため、難易度が回ごとに多少変わっても、同じ実力なら近いスコアが出るように設計されています。

合否がないということは、「受ければ必ず今の英語力が数字で分かる」ということでもあります。まだ準備が不十分だと感じていても、早めに1回受けてスコアを把握したほうが得策です。目標までの距離と必要な学習量を、具体的に計算できるようになります。

TOEICの点数別レベル目安と企業での評価

「何点からアピールになるのか」は、TOEICを受ける人がもっとも気にするポイントです。IIBCが公表するスコアとコミュニケーション能力レベルの対応や、企業の採用・昇進要件の傾向をもとに、一般的な目安を整理しました。

スコア 英語力の目安 評価のされ方
〜395点 基本的な単語や短い文の理解が中心 学習の出発点
400〜595点 簡単な日常会話やメールの要点をつかめる 新卒採用で目安とされることがある
600〜695点 定型的な業務のやり取りに対応できる 履歴書でアピールになる水準
700〜795点 業務上の英文を概ね理解できる 海外部門の配属や昇格の要件になりやすい
800〜895点 会議や交渉にも一定程度対応できる 英語を使う職種で強みになる
900点以上 幅広い場面で英語を運用できる 英語力のトップ層として評価される

国内の平均スコアは600点前後で推移しており、600点が「平均的な社会人」と「英語が得意な人」を分ける1つの境目になっています。一方で、外資系企業や海外営業などの求人では730点以上を条件にする例も少なくありません。自分が目指すキャリアで求められる点数を先に調べ、そこから逆算して目標を決めるのが効率的です。

佐藤さんが730点までにつまずいたリーディングの時間切れ

佐藤さんは学習開始から2ヶ月で550点まで伸びましたが、3ヶ月目に入ると伸びが止まりました。原因はリーディングで、毎回20問近くを時間切れで塗り絵にしていたのです。文法問題のPart5で1問に1分以上悩み、長文読解に回す時間が足りなくなっていました。

そこで佐藤さんは、Part5を「1問20秒・分からなければ勘でマークして次へ」と決めました。公式問題集で時間を計りながら練習を繰り返し、1ヶ月ほどでPart7を最後まで解けるようになっています。4ヶ月目の受験で650点、6ヶ月目に730点へ到達しました。スコアが伸び悩んだら、知識不足より先に時間配分を疑ってみてください。

TOEICと英検の違い|どちらを受けるべきか

実用英語技能検定(英検)は、日本英語検定協会が実施する級別の試験です。級ごとに合否が判定され、3級以上では一次試験の筆記・リスニングに加えて二次試験の面接があります。スコアで英語力を示すL&Rとは、評価の仕組みそのものが異なります。

出題内容にも違いがあります。英検は学校生活や社会問題など幅広いテーマを扱い、英作文も課されます。一方のTOEICはビジネスや日常のシーンが中心で、L&Rでは話す・書く力は問われません。どちらを選ぶかは、スコアを「どこで使うか」で判断するとスムーズです。

  • 就職・転職・社内の昇格に使う:TOEIC L&R
  • 高校・大学の入試や単位認定に使う:英検(学校によってはTOEICも可)
  • 留学先の大学・大学院に提出する:TOEFLやIELTS
  • 英語で話す力を職場にアピールしたい:L&Rに加えてS&W

社会人が仕事のために受けるなら、まずはL&Rを選べば間違いありません。海外の大学院への進学を考えている場合は、TOEICではなくTOEFLのスコアが求められるのが一般的です。詳しくはTOEFL iBTの基礎知識ガイドで試験の仕組みを確認してください。

英検2級の独学勉強法・テキストと参考書あわせて読みたい英検2級を独学で合格する勉強法【社会人4ヶ月の全手順】英検2級に社会人が独学4ヶ月で合格した勉強手順を紹介しています

受験料・申込から結果が届くまでの流れ

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L&R公開テストの受験料は7,810円(税込)で、紙の公式認定証を希望しない場合は7,700円です。受験した半年後から翌年同月までの公開テスト1回には、リピート受験割引も適用されます。最新の金額や割引条件は、IIBC公式サイトの受験料・支払方法ページで確認しておきましょう。申込から結果が届くまでは、次の流れで進みます。

  1. IIBCの公式サイトで会員登録:申込にはアカウントが必要です
  2. 試験日と受験地を選んで申込・支払い:締切は試験日のおよそ1ヶ月前が目安です(回によって異なります)
  3. 受験票を受け取る:発行方法と時期は申込完了時の案内で確認できます
  4. 試験当日:2026年は午前・午後の1日2回実施されています
  5. 結果の確認:試験日から約2〜3週間後にデジタル公式認定証が発行されます

TOEICのスコアに有効期限はある?

スコア自体に有効期限は設けられていません。ただし公式認定証の再発行は試験日から2年以内に限られており、企業側も「2年以内に受験したスコア」の提出を求めることが多いのが実情です。転職活動を控えているなら、直近2年以内のスコアを用意しておくと安心です。

佐藤さんも異動の社内公募に応募する際、以前に取った650点ではなく直近の730点を提出しています。数年前の高スコアがあっても、スキルが落ちていないことを示すために再受験しておくと評価されやすくなります。

現在のレベル別|TOEICスコアアップのロードマップ

学習の進め方は、今のスコアによって優先すべきことが大きく変わります。基礎が固まっていない段階でPart7の長文ばかり解いても効果は薄く、逆に700点台で単語帳だけを回していても伸び悩みます。自分がどの段階にいるかを確認し、合った勉強法の記事へ進んでください。

未受験〜500点台:まず600点を目指す

この段階では、中学・高校レベルの文法と頻出単語の土台づくりが最優先です。佐藤さんも最初の2ヶ月は、単語帳と文法の基礎固めに時間の大半を使いました。社会人が働きながら600点に届くまでの期間と具体的な学習計画は、TOEIC600点を独学で取るまでの期間と勉強法で詳しく紹介しています。

600点台:700点で「英語が使える」水準へ

600点を超えたら、リスニングの先読みとリーディングの時間配分に取り組む時期です。公式問題集を本番と同じ2時間で解き、弱いパートを特定して集中的に対策します。社会人が5ヶ月で達成した手順はTOEIC700点を独学で取る勉強法にまとめました。

700点台以上:800点の壁を越える

700点台からは、細かな語法やPart7の複数文書問題での取りこぼしがスコアを左右します。精読と音読を組み合わせて処理速度を上げる段階に入るため、学習の質を見直す必要があります。伸び悩みの原因と打開策はTOEIC800点を独学で取る勉強法と伸び悩み対策を参考にしてください。

TOEICに関するよくある質問

TOEICは何回受けてもいいですか?

受験回数に制限はありません。公開テストはほぼ毎月実施されているため、学習の成果を確かめながら何度でも挑戦できます。2〜3ヶ月に1回のペースで受けると、スコアの変化から学習法の良し悪しを判断しやすくなります。前回から半年以上空けて受ける場合は、リピート受験割引で受験料を抑えられます。

TOEICは独学でも点数を上げられますか?

独学でも十分にスコアアップは可能です。L&Rはマークシート方式で出題形式も毎回同じなので、公式問題集で形式に慣れるだけでも点数が上がりやすい試験です。佐藤さんも通信講座やスクールは使わず、公式問題集・単語帳・アプリの3つで730点に到達しました。

TOEICとTOEFLはどう違いますか?

TOEICがビジネスや日常の英語を測るのに対し、TOEFLは大学の講義や学術的な英語を扱う試験です。海外の大学・大学院への出願にはTOEFLが使われ、国内企業の採用や昇格ではTOEICが主流です。TOEFLの形式の違いはTOEFL ITPとiBTの違いでも解説しています。

まとめ

TOEICは、英語のコミュニケーション能力をスコアで示す試験です。社会人が就職・転職や昇格に使うなら、10〜990点で評価されるL&Rを受けるのが基本になります。600点で履歴書に書ける水準、700点台で海外部門の要件を満たす水準が1つの目安です。

佐藤さんのように450点からのスタートでも、時間配分を意識した学習を半年続ければ700点台は十分に狙えます。まずはL&R公開テストに申し込んで現在のスコアを知り、自分のレベルに合った勉強法の記事から学習を始めてみてください。

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