電気工事士とは?できる仕事・種類・取り方を総まとめ

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「コンセントを1か所増やしたいだけなのに、資格が要るの?」と驚いた経験はありませんか。電気工事士とは、住宅やビルの配線工事を行うために法律で定められた国家資格です。無資格で配線をいじると感電や火災の原因になるため、作業の多くはこの資格の保有者にしか認められていません。

この記事では、第一種と第二種の違い、できる仕事、試験の流れ、取得後のキャリアまでを1ページで整理しました。未経験から第二種に挑んだ中村さんのケースも交えて紹介するので、自分が受けるべき区分と次の一歩が具体的に見えてくるはずです。

※ここで紹介する中村さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。

電気工事士とは?電気の安全を守るための国家資格

electrician installing wall outlet

電気工事士は、電気工事士法にもとづいて経済産業省が所管する国家資格です。法律の目的は、欠陥工事による感電や火災を防ぐことにあります。そのため、屋内配線の敷設や分電盤への接続といった作業は、有資格者でなければ行えません(電気工事士法:e-Gov法令検索)。

資格がないとできない作業・できる作業

電線同士をつなぐ、壁の中に配線を通す、コンセントやスイッチを交換するといった作業は、住宅であっても資格が必要です。一方で、電球の交換や差し込みプラグ付き家電の接続、ソケットへのコードの取り付けといった「軽微な工事」は誰でも行えます。

無資格で資格が必要な工事を行った場合、3か月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金の対象です。DIY動画を見てコンセントを増設する人もいますが、自宅であっても違法になる点は押さえておきましょう。火災保険の補償に影響するおそれもあるため、配線に触れる作業は有資格者に任せるのが安全です。

第一種と第二種の違いは「扱える設備の規模」

電気工事士には第一種と第二種の2区分があります。大きな違いは工事できる設備の範囲と、免状を受け取るための条件です。下の表で主なポイントを比べてみましょう。

項目 第二種 第一種
工事できる範囲 一般用電気工作物(一般住宅・小規模店舗など) 第二種の範囲+最大電力500kW未満の自家用電気工作物(ビル・工場など)
受験資格 なし なし
免状の交付条件 試験合格のみ 試験合格+実務経験3年以上
試験の実施回数 年2回(上期・下期) 年1回
定期講習 なし 5年ごとに受講義務

第二種電気工事士でできる工事

第二種は、600V以下で受電する一般住宅や小規模な店舗の電気工事を担当できる資格です。照明器具の取り付け、コンセントの増設、エアコン専用回路の新設などが代表例になります。住宅向けの仕事はほぼこの範囲に収まるため、最初に取る人が圧倒的に多い区分です。

第一種電気工事士でできる工事

第一種は、第二種の範囲に加えて、ビルや工場、病院といった高圧受電設備(最大電力500kW未満)の工事も行えます。免状を受け取るには試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です。そのため、まず第二種で現場に入り、経験を積みながら第一種を目指す流れが一般的です。

特殊な設備に必要な関連資格

ネオン工事や非常用予備発電装置の工事には「特種電気工事資格者」の認定が別途必要です。自家用電気工作物のうち600V以下の簡易な工事に限っては「認定電気工事従事者」という制度もあります。どちらも電気工事士の免状を持つ人が講習などを経て得る上乗せの資格なので、入り口は電気工事士と考えて問題ありません。

電気工事士の仕事内容と主な活躍の場

資格を活かせる職場は、街の電気屋さんだけではありません。建物の新築からメンテナンス、再生可能エネルギー設備まで、電気が通る場所すべてが仕事のフィールドです。代表的な活躍の場を4つ挙げます。

  • 電気工事会社:住宅・店舗・オフィスの新築やリフォームで配線工事を担当
  • ビルメンテナンス会社:商業ビルや病院の電気設備を点検・修理
  • 工場の設備保全:生産ラインの機械や動力配線のトラブルに対応
  • 太陽光・EV充電設備:蓄電池や充電器の設置工事。脱炭素の流れで需要が拡大中

ビルメンテナンス業界では、第二種電気工事士が「ビルメン4点セット」の1つに数えられます。危険物取扱者乙4やボイラー技士と組み合わせて求人の条件を満たす人も多く、未経験からの転職ルートとして定番です。年収の相場や将来性は電気工事士の年収と将来性で詳しくまとめています。

Photo by Tima Miroshnichenko on Pexelsあわせて読みたいボイラー技士とは?仕事内容・資格の種類・年収を工場目線で解説ビルメン4点セットの一角・ボイラー技士の仕事内容と資格の種類を解説しています

電気工事士の資格の取り方と試験の流れ

student practicing electrical wiring cables

電気工事士試験に受験資格はなく、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも申し込めます。試験は一般財団法人電気技術者試験センターが実施しており、申込期間や試験日程も同センターのサイトで公表されます(電気技術者試験センター)。

試験は学科から技能の2段階

最初に受けるのは学科試験で、電気理論や配線図、法令などが四肢択一で出題されます。第二種はCBT方式と筆記方式を選べるため、会場と日時の都合に合わせやすいのが利点です。学科に合格すると技能試験に進み、第二種の場合は40分の制限時間内に配線を実際に組み上げます。

技能試験の問題は、事前に公表される13種類の候補問題から出題されます。全パターンを練習しておけば本番で慌てずに済むでしょう。候補問題の一覧は例年年明けごろに試験センターから発表されるので、早めに確認して練習材料をそろえておくと安心です。技能試験に落ちた場合でも、学科に合格していれば次回の学科試験は免除されます。

第二種の合格率は学科6割弱・技能7割

令和7年度上期の第二種は、学科試験の合格率が57.7%、技能試験が72.0%でした(令和7年度上期試験結果:電気技術者試験センター公表)。下期も学科55.4%、技能71.4%と近い水準で、きちんと対策すれば十分に手が届く試験といえます。一方の第一種は、学科で高圧受電設備や電気理論のより深い知識が問われ、技能試験も60分とボリュームが増します。難易度の詳しい比較は第二種電気工事士の難易度と合格率を参考にしてください。

学習期間の目安と勉強方法

第二種の学習時間は、電気の知識がゼロの人で学科・技能あわせて100〜200時間が目安です。平日1時間と休日3時間のペースなら、3〜4か月で試験日に間に合います。独学なら市販テキストと過去問、技能用の工具と練習材料セットをそろえれば始められます。

スケジュールの立て方は第二種電気工事士の独学勉強法、実技の練習手順は技能試験対策にまとめています。教材選びはテキストおすすめ、添削や動画で学びたい人は通信講座の比較も参考になるでしょう。自分に合う学び方を先に決めておくと、教材の買い直しを防げます。

未経験から第二種に合格した中村さんのケース

物流倉庫で設備の補助をしていた中村翔太さん(29歳)は、電気の専門知識ゼロの状態から第二種電気工事士に挑戦しました。きっかけは、照明の故障のたびに外部業者を待つしかない状況に歯がゆさを感じたことです。学習期間は約4か月で、市販のテキスト1冊と過去問アプリで学科を、解説動画で技能を練習しました。

最もつまずいたのは、学科の配線図問題に出てくる複線図でした。1か月目は図を見ても電線の本数が数えられず、何度もテキストを閉じかけたそうです。毎日1問ずつ手で書き写す方法に切り替えてから理解が進み、CBT方式の学科試験は50問中38問正解で合格しました。

技能試験に向けては、工具と練習用の材料セットに合計約3万円をかけ、13問の候補問題をすべて2周しました。本番では時間内に完成させて一発合格しています。合格後はビル管理会社へ転職し、資格手当を含めて年収が約40万円上がりました。今は実務経験を積みながら、第一種の取得を次の目標にしています。

電気工事士を取得する3つのメリット

独占業務があるため仕事がなくなりにくい

配線工事は有資格者にしか許されない独占業務です。住宅やビルが存在する限り工事と保守の需要は続くため、景気に左右されにくい点が強みになります。老朽化した設備の更新や省エネ改修の案件も増えており、経験を積むほど頼られる存在になれます。

転職や資格手当で収入アップを狙える

電気工事会社やビルメンテナンス会社では、資格手当として月3,000〜10,000円程度を支給する企業が多く見られます。求人の応募条件に「第二種電気工事士以上」と書かれている例も多く、未経験可の求人でも持っているだけで選考が有利に進みます。

上位資格へのステップになる

第二種で身につけた電気の基礎は、第一種や電験三種の学習にもそのまま生かせます。さらに電気工事士の免状があれば、消防設備士の甲種を受験する資格も得られます。電気系のキャリアを広げる出発点として、最初に取っておいて損のない資格です。

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電気工事士に関するよくある質問

独学でも合格できますか?

第二種であれば、独学で合格している人は多数います。学科はテキストと過去問の反復で対応でき、技能は候補問題が公表されているため練習の的を絞れます。工具の使い方に不安がある場合だけ、動画教材や講習会を併用すると効率的です。

自宅のコンセント交換にも資格が必要ですか?

必要です。コンセントやスイッチの交換は配線への接続を伴うため、自分の家であっても資格がないと行えません。電球の交換や延長コードの使用など、配線に触れない作業であれば資格は不要です。照明器具も、天井の引掛シーリングに差し込むタイプなら資格なしで付け替えられます。

資格に有効期限や更新はありますか?

第二種の免状に有効期限はなく、更新手続きも不要です。一方で第一種は、免状の交付を受けた日から5年以内ごとに定期講習を受ける義務があります。受講しないと法令違反になるため、第一種を持つ人は期限の管理が欠かせません。

まとめ

電気工事士とは、電気工事士法にもとづき配線工事を行うための国家資格です。住宅や小規模店舗なら第二種、ビルや工場の高圧設備まで扱うなら第一種が必要になります。受験資格はなく、第二種は学科6割弱・技能7割という合格率なので、未経験からでも3〜4か月の準備で十分に狙えます。

最初の一歩としては、第二種の試験日程を確認し、学習計画を立てるところから始めてみてください。迷ったら、住宅向けの工事を幅広くカバーできる第二種から始めるのが近道です。取得後は転職や資格手当、第一種や電験三種へのステップアップと、キャリアの選択肢が大きく広がります。

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