「給料はそんなに上がらないのに、講座費用は数万円…」ケアマネ試験対策、本当に必要な投資はどれ?

特別養護老人ホームで8年間働く鈴木久美子さん(仮名・47歳)は、ケアマネ試験の受験資格を得たとき、まず通信講座のパンフレットを5社分取り寄せました。「安い講座を選んで失敗したらどうしよう」「高い講座を選んでも結局独学と変わらないんじゃないか」。シフト勤務の合間に資料を読み比べる時間も限られていて、結局申し込みまでに3週間悩んだといいます。
この記事では、ケアマネ試験対策の通信講座5社の費用を比較し、給付金を使って負担を抑える方法を紹介します。さらに、合格後の実務研修まで含めた「資格取得トータルコスト」を整理します。鈴木さんが実際に申し込んだ講座での学習の進め方も交えながら、シフト勤務をしながらでも続けられる講座の選び方をお伝えします。
※鈴木さんは、複数の学習者の声をもとに構成した架空の例です。
ケアマネ通信講座5社の費用比較表
| 講座名 | 受講料(税込) | 学習期間目安 | 給付金対象 |
|---|---|---|---|
| 三幸福祉カレッジ(eラーニング) | 27,500円 | 3〜4ヶ月 | 講座により対象 |
| ニチイ | 34,783円 | 約6ヶ月 | 対象 |
| アガルート | 43,780円 | 4〜5ヶ月 | 対象外(合格特典あり) |
| ユーキャン | 49,800円 | 6ヶ月 | 対象 |
| 日本キャリアパスアカデミー | 52,800円 | 4ヶ月 | 対象 |
受講料だけを見ると三幸福祉カレッジが最安ですが、価格差は「テキストの厚み」よりも「模試の回数」と「質問対応の窓口」に表れます。鈴木さんは見積もり段階で価格差の半分以上がこの2点に使われていることに気づき、価格と内容のバランスでニチイを選びました。
上記の比較表のとおり、ケアマネ向け通信講座の費用は3万円台から5万円台まで幅があり、どの講座を選ぶかで総額は大きく変わります。
なお、ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)そのものの合格率は年度差が大きく、厚生労働省の発表によると第27回(2024年度)試験の全国合格率は32.1%でした(出典:介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等|厚生労働省)。各講座が公表する「修了生合格率」はこの全国平均より高めの数値であることが多く、講座ごとのサポート体制の差が結果に反映されている可能性があります。

ニチイ(34,783円)
修了生の76.1%が試験に合格しており、教育訓練給付金の対象講座です。鈴木さんはスマホ完結型のテキストで夜勤明けの30分の学習を進め、6ヶ月のうち実際にまとまった時間が取れたのは月平均15時間程度だったと話します。
アガルート(43,780円)
合格率75%を公表し、不合格の場合は受講料全額返金か合格祝い金1万円を選べる制度があります。価格は中堅ですが、模試の解説講義が手厚く、法令系科目に苦手意識がある人向きです。
ユーキャン(49,800円)
知名度の高さからテキストの分かりやすさに定評がありますが、価格は比較対象の中で上から2番目です。給付金を使えば実質39,840円まで下がります。
三幸福祉カレッジ(27,500円)
価格は最安ですが、eラーニングのみのコースは質問対応が限定的です。費用を抑えたい人向けですが、法令科目の独学が苦手な人は質問回数の上限を事前に確認したほうがいいでしょう。
教育訓練給付金でケアマネ講座代を最大20%節約する申請手順
ケアマネ通信講座の多くは厚生労働省の一般教育訓練給付制度の対象です。受講料の20%(上限10万円)が、修了後にハローワークから給付されます。鈴木さんはニチイの受講料34,783円のうち6,956円が約2ヶ月後に口座へ振り込まれました。
申請の流れは次のとおりです。
- 受講前に講座が「教育訓練給付制度対象講座」かどうかを公式サイトの表示で確認する
- 初回利用の場合、雇用保険に1年以上加入していることを確認する
- 講座を受講し、修了要件(添削課題の提出・模試の受験など)を満たして修了する
- 講座から発行される「受講証明書」を受け取る
- 修了日の翌日から1ヶ月以内に、本人確認書類・受講証明書・教育訓練給付金支給申請書を持って、住所地を管轄するハローワークへ来所申請する
来所申請が必須で、郵送のみでは手続きが完了しない点に注意してください。制度の詳細・対象講座の検索は教育訓練給付金|厚生労働省で確認できます。
教育訓練給付金以外で費用を抑える2つの方法
- 早期申込割引を使う:試験の半年〜8ヶ月前の早期申込で数千円〜1万円程度割引されるキャンペーンが各社にあります。
- 勤務先の研修補助を確認する:介護施設によっては資格取得支援制度があり、受講料の一部または全額を事業所が負担してくれるケースがあります。鈴木さんの施設では上限2万円までの補助があり、申し込み前に総務に確認したことで実質負担を半分以下に抑えられました。
試験対策費用だけでは終わらない「資格取得トータルコスト」

通信講座の比較サイトの多くは試験対策講座の費用までしか触れていません。しかしケアマネとして働くには合格後に32時間の実務研修を受ける必要があり、これに別途3〜5万円程度かかります。鈴木さんの場合、試験対策(ニチイ34,783円)と実務研修(地域の研修機関で42,000円)を合わせた総額は76,783円でした。給付金と施設補助を使った後の実質負担は約3万円弱だったといいます。
実務研修費用まで含めて比較すると、ケアマネ資格取得にかかるトータルコストの差はさらに広がります。
講座選びの際は受講料だけでなく、この実務研修費用まで見込んだ予算で考えると、申込後に「想定より出費がかさんだ」と慌てずに済みます。
失敗しない通信講座の選び方|シフト勤務との両立視点
鈴木さんは最初、通学型の講座に申し込みかけていました。しかし夜勤明けの日に通学の予定が重なることが分かり、申込み直前に通信型へ切り替えています。施設勤務や訪問介護でシフトが不規則な人は、以下の3点を確認してから申し込むと、途中で挫折するリスクを減らせます。
- スマホだけで学習が完結するか(テキストのみでスクーリング必須の講座は要注意)
- 質問対応の受付時間が夜間・休日にも対応しているか
- 模試の受験期限に幅があるか(シフトの都合で受験日をずらせるか)
あわせて読みたいケアマネ試験の難易度と勉強時間|職種別目安と合格スケジュールケアマネ試験の難易度と職種別の勉強時間目安をまとめています
まとめ
ケアマネ通信講座の費用は27,500円〜52,800円と幅がありますが、価格差は模試回数とサポート体制の差です。教育訓練給付金や勤務先の補助制度を使えば実質負担は半分以下まで下がるケースもあります。試験対策費用だけでなく合格後の実務研修費用まで含めた総額で予算を組み、シフト勤務でも続けられる学習形式を選ぶことが、申込み後に後悔しないための一番の近道です。ケアマネ通信講座を費用で比較する際は、受講料だけでなく給付金や補助制度の活用効果まで含めて検討しましょう。