「FP3級を取ったし、次はFP2級に挑戦したい。でも講座が多すぎてどれを選べばいいかわからない」――そう感じているなら、費用と合格率だけで選ぶのは少し待ってほしい。
FP2級の通信講座には、「AFP認定研修がセットの講座」と「試験対策のみの講座」という2つの種類がある。AFP登録を将来考えているかどうかで、選ぶべき講座がまったく変わる。この記事では7社を比較しながら、この見落とされがちな分岐点も含めて整理する。
FP2級の通信講座、選ぶ前に知っておく「2つの種類」
FP2級(日本FP協会)に合格後、AFP登録を目指す場合は「AFP認定研修」の修了が別途必要になる。通信講座の中には、この認定研修がセットになったものと、純粋な試験対策のみのものがある。
- AFP認定研修付きの講座(TAC・LECなど):受講修了でAFP登録資格が得られる。FP2級とAFPを同時に取りたい人向け
- 試験対策のみの講座(スタディング・アガルートなど):費用が安く、合格率特化。AFP登録は将来的に別途対応
銀行・証券会社への転職や将来の独立を視野に入れているなら、AFP付きを最初から選んだほうが後の手間が省ける。今すぐAFP登録が必要でなければ、試験対策特化の安い講座で十分だ。
もう一つ確認すべき点が受験資格だ。FP2級の受験資格は「FP3級合格」「2年以上のFP業務経験」「AFP認定研修の修了」のいずれかが必要。AFP研修付き講座を選べば、FP3級なしでも直接FP2級を受験できる。
FP2級通信講座 7社比較一覧
2026年6月時点の情報をもとに比較した(価格は税込・FP2級コースの最安プランが基準)。
| 講座名 | 価格(税込) | 合格率 | AFP研修 | 給付金対象 | 質問サポート |
|---|---|---|---|---|---|
| フォーサイト | 34,800円〜 | 88.0% | なし | ○ | メール(無制限) |
| スタディング | 29,700円〜 | 非公開 | なし | × | AI問題演習 |
| ユーキャン | 59,000円〜 | 非公開 | なし | ○ | 1日3回まで |
| アガルート | 54,780円〜 | 91.7% | なし | × | Facebookグループ |
| TAC | 68,000円〜 | 非公開 | あり | ○ | 講師に直接質問 |
| LEC | 72,000円〜 | 非公開 | あり | ○ | メール・電話 |
| クレアール | 38,500円〜 | 非公開 | なし | × | メール(月5回) |
目的別おすすめ3選
合格率を最優先するなら:フォーサイト
2025年4〜9月試験のFP2級合格率は88.0%(全国平均の約2倍)。フルカラーテキスト・過去問一問一答・模試がセットの「バリューセット2」(34,800円)がコストパフォーマンスに優れる。教育訓練給付金(一般教育訓練)対象のため、実質費用は約27,840円まで下がる。
向いている人:初受験で確実に一発合格したい・紙テキストで体系的に学びたい
向いていない人:スマホだけで完結したい・とにかく最安値で済ませたい
費用を最小限に抑えるなら:スタディング
業界最安クラスの29,700円で動画講義・デジタルテキスト・AI問題演習がスマートフォン1台で完結する。通勤電車でも学習が進む設計で、副業や転職活動と並行して学ぶ社会人に向いている。ただし紙テキストがなく、模試は別途購入が必要な点は注意したい。
向いている人:まとまった学習時間を確保しにくい・費用を3万円台に抑えたい
向いていない人:書き込みながら勉強したい・講師に直接質問して解決したい
手厚いサポートが欲しいなら:ユーキャン
1日3回まで講師に質問できるシステムは競合の中でもトップクラス。「どの順番で学べばいいか」「この問題の解き方がわからない」という細かい疑問も丁寧に対応してくれる。費用は59,000円と高めだが、教育訓練給付金対象のため実質約47,200円で受講できる。
向いている人:金融の基礎知識がほぼゼロから始める・学習ペース管理が苦手
向いていない人:費用を抑えたい・自分で調べて解決できる
教育訓練給付金を使うと実質いくら?
雇用保険に1年以上加入している会社員は「一般教育訓練給付金」を利用できる。講座費用の20%(上限10万円)がハローワークから支給される制度だ。
対象講座と実質費用の目安(2026年6月時点):
- フォーサイト FP2級バリューセット2 → 34,800円 → 実質約27,840円
- ユーキャン FP2級講座 → 59,000円 → 実質約47,200円
- TAC 通信教育FP2級コース → 68,000円 → 実質約54,400円
- LEC FP2級通信講座 → 72,000円 → 実質約57,600円
申請は講座修了後にハローワークへ。受講前に厚生労働省の「教育訓練給付金 指定講座検索システム」で対象か確認しておこう(制度変更で対象外になるケースがある)。
FP3級取得済みの社会人が4ヶ月で合格した実例
銀行の一般職として働く26歳のAさんは、FP3級取得から8ヶ月後にFP2級へ挑戦した。使用したのはフォーサイト バリューセット2。1日の学習時間は平均1〜1.5時間、学習期間は4ヶ月だった。
- 1〜2ヶ月目:ライフプランニング・リスク管理・金融資産(FP3級の知識が活きる分野)から始め、テキストを1周して過去問3年分に着手
- 3ヶ月目:相続・贈与・事業承継に集中。相続分野でつまずいて1週間モチベーションが落ちたが、フォーサイトの動画講義を倍速で見直して乗り越えた
- 4ヶ月目:過去問5年分を繰り返し、模試で75点以上をキープしてから本番へ
結果は学科79点・実技88点で一発合格。「数字の多さは3級より難しかったが、講座のスケジュール管理機能で迷わずに進められた」という。合格後は部署内で「お金の相談係」として重宝され、FP1級への挑戦を検討中とのことだ。
よくある質問
FP2級は独学で取れる?
取れる。市販テキスト代(2,500〜3,000円×2冊)と過去問集で5,000〜8,000円程度かかり、スタディングの最安プランとの差額は約2万円だ。テキストを自分で選んでスケジュール管理できる人なら独学で問題ない。「合格率を2〜3万円で上げる投資」として通信講座を考えると判断しやすい。
どの試験実施機関を選べばいい?
日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2機関がある。AFP登録を目指すなら日本FP協会の実技試験(資産設計提案業務)を選ぶ必要がある。そうでなければ、合格率が若干高い日本FP協会を選ぶ人が多い。
まとめ
FP2級通信講座の選び方は、まず「AFP登録をするかどうか」で絞り込み、次に「費用・合格率・サポート」で比較するのが最短ルートだ。
- AFP登録が必要 → TAC or LEC(AFP認定研修付き)
- 合格率最優先 → フォーサイト
- 費用を最小限に → スタディング
- サポート重視 → ユーキャン
- 教育訓練給付金を活用 → フォーサイト・ユーキャン・TAC・LEC
FP3級の知識があれば、1日1時間・4ヶ月のペースでも合格圏内に入れる。自分の生活リズムに合った講座を選んで、着実に合格を目指してほしい。