基本情報技術者の難易度と合格率|2年連続低下の理由を解説

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基本情報技術者試験は合格率が年々下がっていると聞いて、受験をためらっていませんか。IPAの公表値では、令和5年度に47.1%だった合格率が令和7年度には38.3%まで下がりました。数字だけを見ると難化したように映りますが、実態はもう少し複雑です。

この記事では、合格率の推移と下がった理由、科目A・科目Bそれぞれの難しさ、他のIT資格との比較を整理します。文系出身で社内異動を目指した佐藤さん(28歳)のケースも交えながら、自分が何時間勉強すれば届くのかを判断できるようにまとめました。

※ここで紹介する佐藤さんの体験は、複数の学習者の声をもとに構成した架空のケースです。

佐藤さんはSaaS企業でカスタマーサクセスを担当する文系出身の会社員です。開発チームへの社内公募に応募するため、上司から基本情報技術者の取得を勧められました。プログラミング経験はゼロで、過去の合格率を調べたときは「4割なら自分は残りの6割側だろう」と感じたそうです。

基本情報技術者試験の難易度は「IT入門者の中級ライン」

office worker studying laptop notes

IPAの試験区分では、基本情報技術者試験は4段階のスキルレベルのうちレベル2に位置づけられています。ITパスポート(レベル1)の上、応用情報技術者(レベル3)の下という立ち位置です。試験の概要はIPAの基本情報技術者試験ページで確認できます。

合格基準は科目A・科目Bともに1,000点満点中600点以上です。どちらか一方でも基準に届かなければ不合格となり、片方だけの合格を次回へ持ち越す制度もありません。得意科目で点を稼いで逃げ切る戦略が通用しない点が、合格率を押し下げる要因の一つです。

出題内容は、ITエンジニアに必要な基礎知識と、プログラムを読み解く力の両方にまたがります。用語を覚えるだけでは足りず、知識を使って計算したり処理の流れを追ったりする場面が多い点で、入門資格とは性格が異なります。

合格率の推移|令和5年度から2年連続で低下

2023年4月に通年CBT方式と科目A・科目B制へ移行してからの合格率は、次のとおりです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
令和5年度 121,611人 57,278人 47.1%
令和6年度 133,732人 54,501人 40.8%
令和7年度 147,186人 56,370人 38.3%
令和8年度(4〜7月) 44,025人 16,955人 38.5%

出典はIPA「統計情報(基本情報技術者試験)」で、令和8年度は4〜7月の累計値です。合格率は2年で約9ポイント下がりましたが、合格者数は毎年5万4千〜5万7千人台でほぼ横ばいです。受験者が2万5千人以上増えた一方で、合格者の数は大きく変わっていません。

旧制度時代は20%台だった

制度変更前のペーパー試験時代は、合格率が20%台で推移していました。2020年からのCBT移行期には40%台に上がり、2021年1月のCBT試験では57.9%を記録した回もあります。新旧を通じた長期の流れで見ると、現在の30%台後半は決して低すぎる水準ではありません。

月ごとに5ポイント以上ぶれる

令和8年度の月別合格率は、4月が33.4%、5月と6月が40.3%、7月が41.3%でした。CBT方式は受験月ごとに受験者層が入れ替わるため、1か月だけの数字で難易度を判断するのは危険です。年度単位の推移を見るほうが、実態に近い難易度をつかめます。

合格率が下がった理由と「難化」の実態

合格率の低下を見て「試験が難しくなった」と考える人は多いものの、IPAが難化を公表した事実はありません。3年間で変わったのは、受験者の数と顔ぶれです。令和5年度の約12万人から令和7年度には約14.7万人へと、受験者は2割以上増えました。

受験者層が広がった

CBTの通年実施で受験日を選びやすくなり、企業の新人研修や学生の就活対策として受ける人が増えました。TACの解説によると、受験者の約3割が学生、約7割が社会人です。準備期間が短いまま会場へ向かう層が増えれば、試験内容が同じでも合格率は下がります。

科目Bの擬似言語で差がつく

新制度の科目Bは20問のうち16問がアルゴリズムとプログラミング、4問が情報セキュリティです。旧午後試験のように得意分野を選んで解く方式ではなくなり、全員が擬似言語の読解に取り組みます。プログラムを読んだ経験のない受験者ほど、ここで600点に届かず不合格になりがちです。

佐藤さんも1回目の受験では、科目Aが680点だったのに対し科目Bは555点で不合格でした。変数の値を1行ずつ追うトレースに慣れておらず、時間切れで最後の4問を勘で埋めたそうです。この失敗で、知識量よりも「手を動かして読む練習量」が足りなかったと気づきました。

他のIT資格・人気資格と難易度を比較

programmer reading code on monitor

令和7年度のIPA公表値をもとに、近い位置にある資格と合格率を並べると次のようになります。

  • ITパスポート:48.6%(受験者271,352人)
  • 基本情報技術者:38.3%(受験者147,186人)
  • 応用情報技術者:23.4%(受験者82,668人)

基本情報技術者はITパスポートと応用情報技術者のちょうど中間に位置します。ITパスポートは用語の意味を知っていれば解ける問題が中心です。一方で基本情報では、その知識を使って計算やプログラムの読解までこなす必要があります。合格率の差は10ポイントほどでも、求められる力の質は一段上です。

応用情報技術者は記述式の午後試験があり、合格率は2割台にとどまります。基本情報で身につけたアルゴリズムやネットワークの基礎は応用情報でもそのまま土台になるため、段階的に挑戦する人が多い試験です。詳しくは応用情報技術者の難易度と合格率の記事でまとめています。

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科目A・科目Bそれぞれの難しさ

2つの科目は出題形式も求められる力も大きく異なります。どちらで苦戦しやすいかは、ITの実務経験やプログラミング経験の有無で変わります。自分の弱点がどちらにあるかを先に把握しておくと、勉強時間の配分を決めやすくなります。

科目A|60問・90分で範囲の広さが壁

科目Aは四肢択一式の60問を90分で解く試験です。テクノロジ系が約7割を占め、基礎理論、ネットワーク、データベース、セキュリティと出題範囲が広いのが特徴です。マネジメント系やストラテジ系からも出題されるため、苦手分野を捨てると600点の確保が難しくなります。

一方で、過去問と似た形式の問題が多く、繰り返し演習で得点を伸ばしやすい科目でもあります。IPAは公開問題を提供しており、テキスト1冊と問題演習を組み合わせれば、初学者でも1〜2か月で合格ラインに届くケースは珍しくありません。

科目B|20問・100分で擬似言語の読解力が問われる

科目Bは20問を100分で解くため、1問あたり5分のペースが必要です。擬似言語で書かれたプログラムを読み、空欄に入る処理や実行結果を選ぶ問題が中心になります。特定のプログラミング言語の知識は不要ですが、配列や繰り返し処理を頭の中で追う力が求められます。

暗記だけでは点が伸びにくく、トレースの練習量がそのまま得点に表れる科目です。紙に変数の表を書き、1行ごとに値を更新していく練習を毎日10〜15分でも続けてみてください。処理を追うスピードが目に見えて上がり、本番での時間切れを防げます。

合格に必要な勉強時間の目安

必要な勉強時間は、スタート時点の知識によって大きく変わります。経歴別の目安は次のとおりです。

  • IT未経験・文系出身:200時間前後
  • 情報系の学生・ITパスポート合格者:100〜150時間
  • ITエンジニアとして実務経験あり:50〜100時間

TACの解説でも、初学者は最低でも200時間程度の学習が必要だとされています。平日1時間、休日3時間のペースなら週11時間ほど確保でき、200時間に届くまでの期間は4〜5か月が目安です。科目Bの対策に全体の4割以上を充てると、苦手が残ったまま本番を迎えるリスクを減らせます。

佐藤さんは2回目の受験までに合計約180時間を積み上げました。イラスト中心の入門テキスト1冊で科目Aの範囲を固め、科目BはIPA公開のサンプル問題を3周しています。結果は科目Aが715点、科目Bが650点で合格し、翌期には希望していた開発チームへの異動が決まりました。

具体的な学習スケジュールは基本情報技術者試験を独学合格した勉強法で解説しています。教材選びに迷う場合は基本情報技術者の通信講座おすすめ比較も参考になります。独学で科目Bの壁を越えられるか不安な人は、講座の解説動画を併用するのも一つの方法です。

2026年12月の試験休止と2027年度の見直しに注意

IPAは、基本情報技術者試験のCBT方式について2026年12月28日以降に休止する予定を公表しています。当初は2026年4月下旬からの休止予定でしたが変更され、12月までは通常どおり受験できる見込みです。再開時期は本記事の執筆時点で公表されていません。

さらに2027年度には情報処理技術者試験の制度見直しが予定されています。基本情報技術者試験の廃止は決まっておらず、見直し案では存続する方向ですが、細部はまだ検討段階です。最新の受験日程はIPAの申込案内ページで必ず確認してください。

年内の合格を目指すなら、休止直前は駆け込み受験で会場が埋まりやすくなる点も考慮が必要です。すでに学習を進めている人は11月中に1回目を受けておくと、12月に再挑戦できる余地を残せます。

基本情報技術者の難易度に関するよくある質問

文系・未経験でも合格できますか?

合格できます。TACによると合格者の平均年齢は25.0歳で、受験者の約7割は社会人です。文系出身者でも、科目Bのトレース練習に十分な時間を割けば600点は狙えます。ITパスポートから段階的に進むのも有効で、詳しくはITパスポートの独学期間の記事を参考にしてください。

合格率が下がっている今、受験を先送りすべきですか?

先送りする理由にはなりません。合格者数は3年間ほぼ横ばいで、合格率の低下は受験者の増加が主な背景と考えられます。2026年12月以降は休止で受験機会が限られるため、準備が整っている人は年内に受けておくほうが計画を立てやすくなります。

科目Aだけ合格した場合、次回は科目Bだけ受けられますか?

受けられません。科目Aと科目Bは同じ日に続けて受験し、両方が600点以上で初めて合格となります。片方の結果を次回へ持ち越す制度はありません。なお、IPA認定の講座を修了して修了試験に合格すると、一定期間は科目Aが免除される制度があります。

まとめ

基本情報技術者試験の合格率は令和7年度で38.3%と、2年連続で下がっています。ただし合格者数はほぼ横ばいで、IPAも難化を発表していません。難易度を左右するのは試験そのものより、科目Bの擬似言語にどれだけ準備時間を割けたかです。

IT未経験なら200時間前後を目安に、科目Bへ学習時間の4割以上を配分してください。2026年12月28日以降は試験の休止が予定されているため、受験日程はIPAの公式情報で早めに押さえておきましょう。

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